介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

科学的介護情報システムとは?導入するメリットや活用方法について解説

2023.06.14
分類:その他

2021年度から運用が開始されている「科学的介護情報システム(LIFE)」とは、自立支援や重度化防止において科学的に効果が裏付けられた質の高いサービス提供を推進することを目的としたシステムです。

厚生労働省の科学的介護において必要なツールともいえますが、2021年度の介護報酬改定では科学的介護情報システムの活用による加算も始まり、積極的な導入が求められています。

そこで、科学的介護情報システムとはどのような仕組みなのか、導入するメリットや活用方法について解説していきます。

科学的介護情報システムとは

介護現場で提供するサービスの質を向上させるために注目されているのが「科学的介護情報システム」です。

厚生労働省は、科学的介護情報システム(LIFE)について、次のように定義しています。

・利用者の状態やケアの計画・内容などを入力すると、インターネットを通じて厚生労働省に送信され、分析後に施設にフィードバックされる情報システムである

・介護事業所でPDCAサイクルを回すための活用ツール

以上のことから、科学的介護情報システムとは、いろいろな介護事業所から集めた利用者の介護に関するデータを収集・分析し、フィードバックするシステムであるといえます。

フィードバックされたデータから、介護事業所での利用者の状態や変化などを客観的に把握することができるようになります。

2021年度の介護報酬改定の際には、「科学的介護推進体制加算(LIFE加算)」やLIFE活用を要件とする個別機能訓練加算などの加算が増え、登録事業所数も増加すると考えられます。

科学的介護とは

科学的介護とは、科学的裏付けや根拠に基づいた介護です。

まず医療業界では、次のことを研究して裏付けや根拠を蓄積し、科学的に証明してきました。

・どの検査をするか

・どの治療が最適か

・治療の有効性

一方の介護業界での科学的介護で裏付けや根拠を占めす場合には、以下の流れを繰り返し行うことになります。

・科学的裏付けに基づいた介護の実践

・科学的に妥当性がある指標など現場から収集・蓄積・分析する

・分析成果を現場へフィードバックして更なる科学的介護を推進する

介護業界は医学業界と異なり、経験に基づいたケアなどが多かったといえますが、今後は科学的根拠に基づいたケアが求められると考えられます。

それにより、介護施設で提供するケアの質も高まることになり、利用者の介護重度化や現場での事故などを防ぐ取り組みにもつながるでしょう。