老人福祉法とは、高齢者福祉の機関・施設・事業に関するルールを定めた法律です。
高齢者福祉の原理を明確にし、高齢者の心身の健康を保つことで生活を安定させていくことを目的とした法律といえるでしょう。
そこで、老人福祉法とはどのような法律なのか、法律に基づく高齢者福祉制度の利用の流れやサービスの種類について解説していきます。
「老人保健法」は措置制度であり、対象となる高齢者は、行政が指定した老人ホームなどに入ることになるといった行政処分の1つです。
高齢者福祉サービスの財源は税金で賄われていますが、これは所得者・生活困窮者を支える「公助」として運営されていることが関係します。
老人福祉法で主流とされていた措置制度では、行政が指定した介護施設へ入所することになるため、利用者の意向が尊重されにくい構造といえます。
そこで、利用者が自由に介護サービスや施設を選ぶことのできる契約制度が主流となった、介護保険制度へと変化してきたと考えられます。
老人福祉法にもとづく高齢者福祉制度を利用する場合、流れとしては以下のとおりです。
・相談・通報・発見などで市区町村が調査を実施
・調査をもとにした総合的判断
・入所措置の決定
相談や通報、発見などにより報告を受けた対象となる高齢者について、市区町村が調査します。
調査される内容は次のようなことです。
・健康状態
・日常生活の状況
・精神の状況
・家族・住居の状況
調査結果から、老人ホームなどの施設に入所するべきか、介護サービスにかかる自己負担額など決定されることになります。
老人福祉法にもとづくサービスは、主に次の4つに分けることができます。
・特別養護老人ホーム
・老人居宅介護等事業
・老人デイサービス事業
・有料老人ホーム
それぞれのサービスについて説明していきます。
特別養護老人ホームは、65歳以上で常時の介護が必要な状態であり、自宅での介護が困難な方が入所する施設です。
施設では、入浴・排せつ・食事などのケアや日常生活上の世話等を行います。
老人居宅介護等事業は、65歳以上で日常生活を営む上で支障がある方に、自宅での入浴・食事・排せつのケアや。家事、生活に関する相談・助言を行う事業です。
老人デイサービス事業とは、65歳以上で日常生活を営むことに支障がある方やその家族に向けた事業です。
デイサービスセンターに日帰りで通い、入浴・食事・排せつなどのケアや機能訓練など受けることができます。
有料老人ホームは、高齢者の入浴・食事・排せつなどのケアや、食事提供・洗濯等の家事を提供している施設です。
民間の介護サービス事業者で、サービス内容や運営はガイドラインに基づいた都道府県による指導があります。