家族の安心した老後を考えたとき、介護保険を利用することは欠かせなくなるかもしれません。
ただ、すべての方が介護施設に入所したり介護保険サービスを利用したりというわけではなく、利用率も性別により差がみられることもあります。
そこで、実際どのくらいのが介護認定を受け、介護保険を利用しているのかその利用率などをご紹介します。
厚生労働省が公表している「平成29年度 介護給付費等実態調査」の結果によると、介護保険による介護保険サービスを利用するためには、介護認定を受けることが必要です。
データによると、2018年4月時点の介護認定者は656万人となっており、うち、実際に介護保険サービスを利用した受給者は493万人となっていました。
要介護の認定を受けているのに介護保険サービスを利用しない方もいるようですが、介護保険を利用している方の割合である利用率は75%ということが確認できます。
また、2017年11月時点の介護保険受給者を性別で確認すると、男性は30.5%であるのに対し、女性は69.5%と倍以上異なります。
なお、介護認定者も同様に女性は68%となっているので、介護保険による介護保険サービスを利用しているのは7割近く女性ということです。
介護保険の受給者を、年代別で確認したときには、70代以上になると女性の利用者が増えることがわかります。
男性と女性、どちらも受給者数のピークを迎えるのは85~89歳の間ですが、この年代の女性受給者は、男性の2.8倍にまで増えます。
女性の介護保険利用率が高いのは、女性のほうが平均寿命も長いからとも考えられますが、介護施設などを利用し介護保険サービスを使っているから寿命が長いとも考えられます。
65~69歳の間で介護保険を利用し介護保険サービスを使っている利用率を確認すると、男性は2.4%、女性1.8%となっているので、ほとんどの方が利用していないことがわかります。
しかしだんだんと年齢が高くなるにつれて、介護保険の利用率も上がっていきます。特に95歳以上になると男性は70.9%、女性は86.8%と、ほとんどの方が介護保険を利用している状況となるため、90代を過ぎれば高い確率で介護保険を利用することになると認識しておくべきです。
医学の進歩で日本は長寿化が進んでいますが、長生きすればするほど介護保険と関わることになるので、安心して利用できる介護施設選びを行うことが必要になると考えておきましょう。