介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設に関連する施設でみられる「特定医療法人」とは?

2020.04.01
分類:その他

租税特別措置法に基づいて、財団、または持ち分の定めのない社団の医療法人を「特定医療法人」といいます。介護施設に関連する施設でも特定医療法人が運営するところもありますが、事業が医療普及や向上、社会福祉に貢献すること、その他公益増進に寄与し、公的な運営が行われていることについ国の承認を受けている法人です。

承認されると法人税19%(通常23.2%)の軽減税率が適用されるといったメリットがありますが、他にもどのような特徴があるのでしょう。

厳しい要件をクリアした医療法人である

特定医療法人とは、公益性の高い医療を行う一定の医療法人に対して、法人税の税率を軽減するなど税制上の優遇措置を与えるものです。

社会医療法人は医療法が根拠となりますが、特定医療法人は租税特別措置法が根拠となる点に違いがあります。

税制上の優遇措置が適用される点からも、特定医療法人と認めてもらうには次の要件を認められることが必要となり、経営が透明で営利より公益を追求する目的が強いことが求められます。

特定医療法人の承認基準の概要

・財団または持ち分の定めのない社団の医療法人であること

・理事、監事、評議員、その他これらに準ずる役員などのそれぞれに占める親族などの割合が3分の1以下であること

・設立者、役員等、社員、またはこれらの親族などに対し特別の利益を与えないこと

・寄付行為・定款の内容に、解散の際は残余財産が国または地方公共団体など持ち分の定めがないものに帰属する旨を定めていること

・法令違反や帳簿書類の隠ぺい、その他公益に反する事実がないこと

・帳簿書類を備え取引を記録し、保存しており、不適正な経理が行われていないこと

・医療法人事業について次のいずれにも該当すること

①社会保険診療などに係る収入金額の合計額が全収入の8割を超える

②自費患者に対し請求する金額は社会保険診療報酬と同一の基準で計算

③医療診療収入は、医師・看護師などの給与・医療提供に要する費用など患者のために直接必要な経費の額に100分の150を掛けた金額の範囲内

④役職員1人に対する年間の給与総額が3600万円を超えない

・医療法人の医療施設のうち、1以上のものが病院を開設する医療法人にあっては40床以上(診療科により30床以上)または救急告示病院に、診療所のみ開設する医療法人は救急診療所である旨を告示された診療所であって15床以上を有すること

・医療法人の医療施設ごとに特別の療養環境に係る病床数が、当該医療施設の有する病床数の100分の30以下である。