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介護施設に関連する機関でも多くみられる「公益財団法人」とは?

2020.04.04
分類:その他

平成2012月から、公益法人改革三法の施行により明治から長年続いていた公益法人制度が新しくなりました。それにより新しく設立可能となった法人形態の1つが「公益財団法人」です。

介護施設など運営されている方に関係する機関としては、たとえばシルバーリハビリテーション協会や結核予防会、老年病研究所などが公益財団法人ですし、老人保健施設などには公益財団法人が運営母体となっていることもあります。

そこで、公益財団法人とはどのような内容の法人なのかご説明します。

新制度により新たな形態の法人設立が可能に

公益法人制度が新しくなる前までの公益法人は、行政と強い結びつきがある機関が多く、たとえば官僚の天下り先になっていたり補助金の無駄遣いがされていたりなど、色々な問題点が取り上げられていました。

そのためこのような問題を解決するため、新公益法人制度により従来の主務官庁や知事、教育委員会などによる要件が厳しい設立許可制度は廃止となり、登記を行うだけで法人設立を可能とすることに変更されました。

さらに「一般社団法人」と「一般財団法人」という新しい法人形態も創設され、公益事業を営むことを目的とする法人は指定された機関の認定を受ければ「公益社団法人」や「公益財団法人」になることが可能とされたのです。

 

公益性が認められなければ公益財団法人にはなれない

このように公益法人改革三法施行によって、それまでの社団法人財団法人は「一般社団法人」「一般財団法人」「公益社団法人」「公益財団法人」の4つに分かれ、社団法人や財団法人の設立と公益性は一体ではなくなったのです。

「一般社団法人」「一般財団法人」は非営利法人ですが公益を目的としなくてもよいとされており、利益を追求する事業目的でも問題ありません。

ただ、「一般社団法人」「一般財団法人」から「公益社団法人」「公益財団法人」へと法人形態を変更する場合には、事業を営む目的に公益性が求められます。

公益法人となれば、公益性を担保し社会的信用を得ることができます。そのために公益認定等委員会による認定を取得することが必要なので、公益性が認められる一定基準をクリアしなければ名乗ることができないのが「公益社団法人」や「公益財団法人」なのです。

 

既存の公益財団法人の活動内容

たとえば「公益財団法人 老年病研究所」では、脳疾患・神経難病・心疾患・骨粗鬆症の治療やリハビリテーションを中心に、新たな治療法を研究して先進医療に貢献することを目的とした活動を行っています。

他にも結核をなくすために高度な結核医療に追求する活動を行なっている「公益財団法人 ・結核予防会」では、急性期医療からリハビリテーション・介護生活支援まで切れ目のない医療提供と複十字シール募金などの実施が行われています。

また、「公益財団法人 シルバーリハビリテーション協会」でも疾病予防や疾病治療、病後のリハビリテーション医療を行いながら、高齢者や障がい者が健康を保持し社会活動に参加できることを促進し地域医療や福祉が発展することを目的とした活動が行われているようです。

いずれも公益性が高い事業や活動内容となっています。