介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設の利用者が医療機関を受診するなら大型病院がよいのか

2020.04.09
分類:その他

介護施設内に医師や看護師などが常駐している場合でも、より詳しく検査や治療が必要となったときには医療機関に頼らなければならなくなります。

そのとき、大型病院がよいのかそれとも地域密着の診療所がよいかという迷いが出ることもあるでしょうが、どのような違いがあるのでしょう。

病院と診療所の違いとは?

まず「病院」という名称のついている医療機関は、病床が20床あることが必要です。20床未満の場合は、病院ではなく「診療所」と呼ばれることになります。

さらに診療所には病床のない「無床診療所」も多いですが、他にも病院と診療所には病床数以外にもいろいろな違いがあります。

まず医師の数も異なり、診療所なら医師1名でも問題ありませんが、病院は最低でも3名以上の医師が必要です。

そして診療所は医師1名が診る患者数に制限は設けられていませんが、病院の場合、外来患者40名に対し医師1名・入院患者16名に対し医師1名といった制限も設けられています。

さらに病院の中でも病床数が200床以上の場合には大病院や大規模病院と呼ばれることとなります。

病院と診療所の対応の違い

診療所やクリニックは地域で生活する方たちの日常的な病気や軽いケガなどを診察・診療するのに対し、病院は手厚い医療を提供できるスタッフを置いて、診断や検査・手術・入院などの設備を備えて、重症患者や救急医療などに対応しています。

また、特定分野で高い専門性を備えていることもありますし、先端的な医療に取り組む医療機関などでは高度な専門医療を必要とする患者に対応しています。

 

病院の機能と構成

中でも病院の機能として挙げられるのは、地域の医療環境や病院の規模によって違いはあるものの、外来と入院の2つです。

特に現在は高齢化が進んでいるので重要性が増しているのが在宅機能といえますし、検診や人間ドッグなどの予防活動も含まれます。

大型病院の場合、医局と呼ばれる診療部門、看護部門、薬剤・検査・リハビリ・放射線などの医療技術部門、事務部門という4つから成り立ち、さらに医療相談などいろいろな専門領域が設けられています。

 

病院と診療所のどちらを受診するべきか

複数の診療科が1つの病院という施設の中に混在する形となるため、必要な検査など受けやすい点はメリットといえるでしょう。

ただ、紹介状なく大型病院を受診してしまうと、診察料以外に特別な料金が発生することになります。初診であれば5千円以上、再診でも2500円以上の別途料金が発生しますので、その点は理解しておく必要があります。

比較的軽症なのであれば、身近な地域密着の診療所やクリニックを受診するほうがよいですが、症状が重いと判断される場合には大型病院のほうが安心です。