介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設はバブル崩壊後の雇用状況に問題があったから人手が不足している?

2020.06.17
分類:その他

介護業界は人手不足が強まっていることに加え、人件費がどんどん大きくなっている印象です。

日本ではバブル崩壊後に人員が過剰状態となったことを理由とし、若い世代を安い賃金で使い倒す経営が常態化していました。

特にサービス業などはこのような状況が30年程度続くこととなり、環境変化に対応できないまま慢性的な赤字体質に陥った企業は次々と倒産しているのが現状です。

介護施設も同様に、労働負担は大きいのに賃金や安いという不満の声が聞こえやすい業界といえます。

何が原因で空室に?

有料老人ホームなどに入居したい方がいても、入居資金の準備ができなければ利用できません。そうなると施設を利用したくてもできない高齢者も増え、利用してほしくても利用してもらえない介護施設も増えることになってしまいます。

バブルが崩壊してすでに数十年経過していますが、その後次々の建設された有料老人ホームは供給過多により、入居者が獲得できる撤退した施設もあります。

今回、新型コロナウイルスの感染拡大により、いろいろな事業や業界がその影響を受けていますが、介護施設のニーズはコロナウイルスに左右されることはそれほどないでしょう。

では今空きが多く悩んでいる有料老人ホームは、いったい何が問題で空室を発生させているのでしょうか。

 

人手不足の見込みの甘さが原因?

現在の介護施設の空きが増えてしまう傾向は、人手不足の見込みが甘かった事業者によるものともいえます。

バブル崩壊以降には日本は仕事が不足してしまい、崩壊前に大量に雇用した社員があふれかえっている状況だったため、崩壊後に雇用された労働者は都合よく安い賃金で使い倒される苦しい時代が続いていました。その人材の使い倒しを業種こそが、人手不足という状況に陥っている傾向が高いとも考えられます。

人手がほしいのに応募してもらえない状況なのは、いったい何が原因かまず見直すことが必要なのかもしれません。

現場としては大変苦しい状況ですが、苦難を乗り越えることができれば発展できるチャンスにかわる可能性もあるといえるでしょう。

 

再度検証と見直しが必要

単純な前提として考えると、高齢者の中で資金に余裕がある方が有料老人ホームに入ると考えられます。

高齢者人口そのものが増えているので、それに伴い資金に余裕のある高齢者の方も増加すると考えれば、有料老人ホームが倒産してしまうのはもっと違う部分が原因と考えられます。

新型コロナウイルスの影響なのか、それとも人手不足なのか、今何が問題なのかあらためて考えるべきときがきているのかもしれません。