見えない敵である新型コロナウイルス感染症との戦いの日々は続きますが、感染拡大を防ぐため不要不急の外出を控え、3密(密集・密接・密閉)を防ぎ、テレワークを実施するといった呼びかけは続いています。
介護施設でも新型コロナウイルスによる感染拡大を防ぐ取り組みを継続して行うことが必要となりますが、そもそも介護は入居者に密接にかかわらなければならない仕事です。
推奨されるテレワークに移行することはできませんので、介護施設で働くスタッフなどは緊張した状態で業務を続けている状況といえます。
介護施設での新型コロナウイルス感染症対策は、入居者の暮らしにも大きな影響を与えている状況です。
外出制限や家族・親族との面会制限、施設内での催しの中止、訪問歯科・訪問美容・訪問販売などの中止など、これまでと違う生活にストレスを抱えている方も多いといえます。
特に家族と会うことができず、人とのコミュニケーションが制限されている状態で、孤立感や孤独を感じていないかメンタルケアも重要といえるでしょう。
家族と面会を制限されていることによる不安やストレスを解消するため、オンラインで面会を可能とする介護施設もあります。
直接会うことはできませんが、画面越しに接触することができるのでコミュニケーションを図ることができます。
入居者も家族も互いに顔が見て確認できますので、不安から安心に風向きが変わる取り組みの1つといえます。
耳が遠い入居者の方でも、家族が画面越しに筆談形式でコミュニケーションを取ることもできますので、まだ取り組んでいない介護施設などは実践してみるとよいでしょう。
また、家族に手紙で様子を伝え不安を解消してもらうのも方法の1つといえます。生活相談員や介護支援専門員など相談援助職の方たちが、家族が抱える不安を少しでも解消できる工夫や取り組みを考えていきましょう。
それと同時に、介護現場の介護スタッフは入居者の緊張をほぐすために施設内で散歩や日光浴などを実践してみるべきです。
外出制限や外出自粛という言葉を耳にすると、入居者を一歩も外に出してはいけないと考えるかもしれません。
しかし外出を制限する目的は、大勢の人が集まる場所に出かけることを避けることにあります。施設の外を入居者がスタッフと散歩したり日光にあたったりすることまで問題とはされないはずです。
ちょっとした些細な時間が緊張を解きほぐすひとときになる可能性もあるので、できる取り組みや工夫を取り入れていくことを検討してください。