介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

がんのステージが進行している方が介護施設でターミナルケアを希望する場合もある

2020.07.12
分類:その他

介護施設では、がんのステージが進み末期患者となった方のターミナルケアを行う場合もあります。

ターミナルケアとは、死を目前にした方の生活の質を向上させることを目指しケアを行うことです。

治療は目的ではなく、残された時間を充実したものにするためにケアを行っていくこととなりますが、1960年代にイギリスのがんなど末期患者に向けが医療施設から欧米へと広がった考え方です。

日本では1980年代以降に緩和ケアが発展するようになり、ターミナルケアが重要視されるようになったといえるでしょう。

ターミナルケアとは?

ターミナルとは、がんのステージが進み余命僅かな方などの終末期において、延命するのか、それとも残された時間を充実させたほうがよいのかという決断から始まります。

病気などで残された時間がわかっている方や、認知症や老衰の方たちが残り時間を自分らしく過ごせるようにすることを目的として行います。

治療で延命するのではなく、苦痛や不快感を緩和しながら精神的に平穏を取り戻し、充実した生活を優先させるためのケアです。

 

緩和ケアとターミナルケアは何が違う?

ターミナルケアは緩和ケアの一部といえます。緩和ケアはがんを患う方たちの苦痛を緩和させ、生活の質を改善させるために行います。

ターミナルケアは治療より残された生活を穏やかに過ごしてもらうことを目的として行う終末期医療や終末期看護ですが、緩和ケアはターミナルケアの要素に加え治療も並行して進めていきます。

通常の治療と同じように、ターミナルケアを始めるかは本人や家族の意思に任すこととなります。

ただ、ターミナルケアを開始することは延命をあきらめることともとれるため、がんなどステージが進行した状態などで余命が予測されるときには、治療の効果などを考慮しながらタイミングを決めることとなるでしょう。

 

ターミナルケアの種類とそれぞれの内容

ターミナルケアは身体的ケア・精神的ケア・社会的ケアに分類されます。

投薬などで痛みなどがある場合、その症状を緩和するケアが身体的ケアです。

精神的ケアでは本人にとって満足できる空間で過ごしてもらえるような環境づくりが求められます。

そして社会的ケアでは、入院や介護などによる経済的な負担が本人のプレッシャーになっていないか確認し、医療費を抑えるためには入院から在宅介護に切り替えるといったことも検討されます。

可能な限り肉体的や精神的な苦痛を緩和し、コミュニケーションを取りながら不安を取り除いていけるケアを目指しましょう。