高齢社会に突入した日本では、介護施設への入所など介護に関係する問題が深刻化しています。特に介護者を支援する点で問題が大きくなっていますが、この問題は先進国ならどこでも共通のはずです。
では実際のところ、スウェーデンなど他国ではどのような施策を取っているのでしょう。
スウェーデンで介護者を支援することが重要だと叫ばれ始めたのは1990年代に入ってからのようです。
それまでは公的な介護を充実させることで介護者の負担も軽減できると考えられていたようですが、1990年代に経済と財政に危機が訪れ、高齢者福祉を充実させることが困難な状況であると認識されてきたからです。
家族や親族の役割が介護にとって重要だと再認識されるようになり、介護者の調査も進んで介護離職や自由な時間が取れないこと、健康問題など様々な問題が明確になっていったようです。
この問題を解消するために、1996年にはスウェーデン介護者協会が設立され、介護者を支援する制度の導入を政府に働きかけていくようになりました。
スウェーデンにはコミューンと呼ばれる290ほどの基礎自治体が存在しており、2009年社会サービス法が改正されたことで、介護者支援はコミューン単位で実施されることとなりました。
コミューンが責任を持って行うので、支援にかかる財源もコミューンの税金で賄われます。
そしてスウェーデンでは介護者協会など民間団体も介護者支援をボランティアで行っています。ボランティアで支援を行う方たちのほとんどが、配偶者が要介護者だったりすでに亡くなっていたりという状況の方で、いずれ自分たちも要介護者になったときには公的な介護とボランティアからの支援を受ける流れとなっているようです。
スウェーデンの高齢者介護も日本と同じく施設系サービスで、特別な住宅と在宅サービスで構成されています。
近年は在宅を基準とした介護にシフトしようとしている点も日本と類似していますが、スウェーデン独自の介護者支援には交代ヘルパーを派遣し家族介護者に休息を取ってもらうシステムのようです。
他にも介護者出会いセンターといったミーティングポイントが設置されていますし、要介護者と一緒に宿泊できるショートステイなどもあります。