デンマークは世界一幸福な国といわれていますが、その理由として挙げられるのは介護施設など社会福祉制度が充実しているからです。
デンマークは国民の税負担率が高いので負担が大きいと感じてしまうかもしれませんが、その代わりに大学卒業までの教育費、医療費、介護福祉費などはすべて無料で利用できます。
世界でもトップレベルの福祉サービスを受けることができるため、税負担は高くても不満を感じることなく安心して老後を迎えることが可能となっています。
デンマークの老人ホームは住み慣れた地域にあるなど、可能な限り人々の自宅に近い環境で過ごすことが可能になるようにといったこと重点が置かれています。
個室が多く、それまで生活していた自宅から家具などの持ち込みもできますし、ペットと一緒に暮らすこともできます。
高齢者住宅・介護型住宅という機能が備わった老人ホームなであり、福祉介護と医療が一体化されているので、住みながらケアを利用できるので安心です。
かつては特別養護老人ホームだった施設も、高齢者住宅や介護型住宅として機能することによって、虚弱体質になったときに自宅やその地域でケアを受け自立した生活を送ることが可能です。
住み慣れた地域でその人らしい生活を送り、最期を迎えたいという考え方なので、24時間体制でケアワーカーが常駐していたり、高齢者住宅に訪問介護が実施されるなど介護福祉と在宅ケアが一体化されていることが特徴といえます。
日本の場合には介護施設の多くは2交代制勤務となっていますが、デンマークでは日中・夜・深夜という3交代制です。
また、日本では起床時間や食事担当がそれぞれ担当者に業務として割り当てられることになりますが、デンマークでは起床時間・食事の場所・食事メニュー・就寝時間など入居者本人が自由に決めることもできます。
自分で自由にいろいろなことを決めることができるので、自主的に出かける意欲を刺激することとなり、寝たきり状態を防ぐ効果もあります。
施設によってはスポーツジムも併設されているので、理学療法士が適した運動プログラムの提案も行いながら利用できます。また、美容室なども併設され、女性なども安心してオシャレを楽しむことができるのもメリットです。
デンマークの福祉は自主性・自立性を大切にする内容であり、それを支える仕組みが街全体でつくられています。