日本は年々平均寿命が延びていますが、同じように長寿である国として挙げられるがアイスランドです。
2017年の国際比較の統計によると、日本は世界で2位の長寿国であるのに対しアイスランドは20位でした。ただ日本の平均寿命は84.10歳なのに対し、アイスランドは82.20歳とその差はわずか約2歳程度です。
長寿国であるということはアイスランドも高齢者の数が多いことが予想されますが、介護施設なども充実しているといわれています。
アイスランドはキリスト教徒が多い国であり、それぞれの地域にある教会の牧師の方やディアコニーの方などが、教区内の老人施設などに定期的に足を運び礼拝や祈りの会をすることが習わしになっているようです。
老人施設も種類はいろいろでしょうが、たとえば施設内で認知症の高齢者の方たちが入居しているフロアは介護付きとなっており、身の回りのお世話をする介護スタッフが常時滞在している形となっています。
同じ福祉関係の施設でも、高齢者を対象とする介護施設ではなく、子どもの養護・権利を守るセンターなどがあるのもアイスランドの魅力です。
施設は体罰を受けている子どもを守るために、安心した生活を送ることのできる環境を整備するために設けられています。
本来、子どもが安心して日々暮らすことのできる場所や環境を整備することは親の義務ですが、できない親もいます。
そこで、身近な人間から虐待を受けた0歳から18歳までの子どもの介入や保護を行ったり、虐待をなくすための広報活動や講演活動なども行うようです。
虐待を受けた子どもに対応するのは、ソーシャルワーカーや訓練を受けた警察官、検事、小児科医、精神科医などです。
平均寿命で日本同様に世界でも順位の高さが特徴のアイスランドですが、世界の国々の生活レベルを比較するための指標である国連開発計画(UNDP)による人間開発指数(HDI)でも上位です。
この人間開発指数(HDI)とは生活レベルの違いをまとめたものであり、測定の基準となるのは国民所得、平均余命、教育水準などです。
アイスランドは日本より人口も国土も小さいものの裕福な国であり、1人あたりのGDP(国内総生産)も高水準にあります。
そのような生活環境のよさが、高齢者や子どもを守る福祉施設などの充実さにつながっていると考えられるでしょう。