介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設の10年後は?将来のビジョンについて

2020.10.05
分類:その他

日本はこの先、ますます人口が減少していくと考えられていますが、高齢者の人口は増えていくとされています。

ベビーブームだった団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年問題や、この2025年を境として医療と介護の需要は最大化し、さらに現役1.5人が高齢者1人を支えなければならなくなる2040年問題など将来のビジョンは決して明るくありません。

介護施設のニーズも、今後さらに高まると考えられています。

高齢者が一気に増える可能性

第二次ベビーブーム世代といわれる団塊ジュニアたちが70歳を超え、現役世代が減少していく傾向が顕著にあらわれるのが2040年です。

すでに高齢者人口は増加傾向にあるものの、増加幅は抑えられてくると考えられる一方で、高齢者を支える65歳以下の生産年齢の人口が減少していきます。差が最大になると考えられているのが2038年あたりで、介護や医療で高齢者をどのように支えていくべきか考えていかなければならないのです。

 

介護難民を増やさないために

社会保障給付費はすでに膨らんでいる状態ですが、GDP比で見ると相対的な推移は変わりません。生産年齢人口が減少すれば国の収入部分も減りますが、増加する給付をどのように補填していくべきかが問題です。

介護施設などでも、労働力や予算の制約が高まっていく中、どのように介護サービスを提供していくのか考えなければなりません。

高齢者が増えれば介護サービスに対する需要は急増します。しかし生産年齢人口が減少すれば、介護サービスを利用できない介護難民と呼ばれる高齢者が増えることも考えられます。

 

今後はICTやロボットの活用が当たり前に?

介護現場の業務を支援するため、そしてコミュニケーションツールとしてICTを活用することなども方法として挙げられるでしょう。

ICTの活用によって、介護業務の引き継ぎなど間接業務を電子化・省力化させることができます。

煩雑な業務の削減が可能となれば、生産年齢人口減少に伴う人手不足に対応することもできるでしょう。

すでにセキュリティを重視するために、訪問介護記録票を電子化させることなどは実用化されています。

さらに利用者のベッドなどにセンサーを設置しておき、利用者の状態や動きを把握できるなど、見守りに役立つ製品も登場しています。

今後は遠隔操作でロボットが施設を循環し利用者を見守ることや、クラウドサービスによるケアプランの作成支援などが当たり前のように利用されるようになるかもしれません。