介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設を運営しているほとんどは中小企業?なぜ介護業界は寡占化されないのか

2021.01.15
分類:その他

介護施設を運営するなど、介護ビジネスを担っている多くは中小企業です。高齢化が進み、介護ニーズが増大することに合わせ、新たに介護分野に参入する企業も増えてきました。

今後も介護市場は拡大することが見込まれていますが、どのように変化していくのでしょう。

介護分野が寡占化されない理由

現在、介護ビジネスは中小企業が担っているといえますが、大手グループの子会社として介護ビジネスに参入している企業もあります。

介護分野は寡占化されないという特徴が見られますが、これは分野からでも簡単に参入できることが理由として挙げられます。

たとえば居宅介護事業のうち、介護ステーションなどは設置も容易で初期投資も少なくてすむといった特徴があり、フランチャイズ展開しているところもあります。

介護保険制度が施行されるまでは民間が介護事業を行うことはできず、社会福祉法人をメインとする公共性の高い分野とされていました。

施設型サービスは投資の金額も大きいため、だんだんと寡占化している傾向にあるものの、まだまだ世間のニーズには追いついていません。

生産性を向上させ介護ビジネスを高めていくためには、寡占化を進めていくことも必要になるといえるでしょう。

 

介護ビジネスは原価が高め

また、介護施設運営など介護ビジネスは原価が高めであることも寡占化が進まない理由です。

介護職員など、介護現場で働く人件費がコストの多くを占め、介護施設の家賃や水道光熱費なども必要になります。原価が高いため、どのくらい運営コストを軽減できるか、経費圧縮が経営を成功させるかの鍵を握ることになるとも考えられます。

それに加え、訪問介護(在宅介護)・通所介護・施設型介護のうち、どの介護サービスを提供するかによって利益率も異なります。

収入は国民健康保険団体連合会などから支払われる介護報酬がメインとなるため、収入のある程度は保障されることになりますが、保険適用されない部分も伸ばすことが欠かせないともいえます。

 

国の施策にも注視しておくこと

日本は高齢化が急速に進み、介護サービスに対する需要は増加傾向にあり、市場規模も拡大すると予測されており有望に見えますが、すべての企業がその追い風を受けるとは限りません。

介護保険からの介護保険給付費の圧縮など、今後の介護業界に対する国の施策も注視しておいたほうがよいといえます。