日本は高齢化が進んでいるため、介護施設に対するニーズは高まり続けています。ただ海外と比べたとき、日本は介護者にやさしい国だといえるでしょうか。
実際、日本よりも海外の方が一歩も二歩も先を進んでいるといえますが、具体的にどのような介護サービスが提供されているのかご説明します。
たとえばイギリスは介護者支援の先進国といわれていますが、50年以上前からケアラー運動が実施されています。
ケアラー法が1995年に制定され、介護者の権利擁護や強化に基づいた色々なサービスが提供されるようになりました。介護者をサポートするための予算も政府から出ていることも特徴です。
また、オーストラリアでは高齢者ケア法で、施設・在宅ケア・ケアラー支援が柱として位置づけられています。2010年にはケアラー承認法が制定され、介護者の権利と存在が明文化され、その法律に基づいたサービスが提供されていることが特徴です。
介護者を支援する法律は、アメリカ・ドイツ・台湾・北欧諸国などでも制定・施行されており、国や自治体などが連携して施策が行われています。
日本では要介護者のショートステイは、主に介護施設で利用できるサービスです。しかし欧米などでは里親として一般家庭が自宅を開放するといったことも少なくありません。
ホームヘルパーも派遣され、インとアウト(派遣と預け入れ)が一体化したサービスが提供されているようです。
どの介護先進国も援策が具体化されており、いずれも介護者の権利として法的に認められていることが特徴といえます。
イギリスでは介護者に手当が直接支払われており、介護者が夜間睡眠を十分とる権利や、休日教会に行く権利も保障されています。
介護者に対する現金や現物の支給はアメリカやスウェーデンでも実施されているようです。
高齢化は日本だけでなく、海外でも起きている現象です。どの国でも近い将来、必ず問題となる高齢化に対応できるような、介護サービスが提供されているといえるでしょう。
日本でも介護者を支援する相談窓口やコミュニティなどが広がりつつありますが、十分とはいえません。
親がいずれ介護を必要とする状態になるかもしれないという不安はあるものの、まだまだ多くの方が他人事と考えているといえるでしょう。
しかしいつかは自分が介護者となる、または介護施設などを頼る日がくるかもしれないと考え、社会全体で高齢者をサポートできる体制を構築していくことが必要といえます。