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介護施設に年金収入のみの親を入所させることは可能?

2021.03.10
分類:その他

介護施設に年金収入のみの親を入所させたいという場合、経済的な部分で問題はないのか?という不安を感じることもあるようです。

年金収入だけで入所可能な介護施設はありますが、受給している年金額にもよることとなり、特に国民年金だけという場合には選択肢は少なくなってしまいます。

受給している年金額の確認を

年金は2か月に1度支給されますが、いくら受給しているかまず確認が必要です。

年金収入の月額が確認できれば、介護施設に入所したときにも負担できる範囲を把握することができます。

それまでに納付した年金保険料によって給付される金額は異なり、さらに会社勤務していた方なら厚生年金も受給できますが、自営業などで国民年金だけという場合は毎月の受給額は少なくなります。

厚生年金を含め公的年金の月額給付額の平均は約14.8万円であり、国民年金だけという場合では5.5万円程度です。

介護施設に入所する場合には利用料が発生しますが、利用料以外にも通院費用や薬代、衣類は下着などの費用、嗜好品の購入などにお金がかかります。

仮に毎月15万円の年金を受給していれば、うち10万程度は施設利用料にかかると考えておくべきです。

 

有料老人ホームは年金収入だけでは厳しい?

仮に有料老人ホームに入居するときには、初期費用として入居一時金が発生し、さらに毎月利用料を負担することになります。

一時金は480万円前後が平均ですが、預貯金や資産がなければ入居一時金のない老人ホームを探さなければなりません。

一時金が必要という場合でも、月額利用料に費用を分割・上乗せすることを可能とし、入居のときにまとまったお金がなくても入居可能というケースがあります。

比較的有料老人ホームは負担が大きくなり、月額費用の全国的な相場は約21万円です。

特に施設によって住居費の部分は差が発生しやすく、東京の都心一等地なら高額負担となり、地方であれば低くなる傾向が見られます。

 

介護施設ごとの利用負担の違い

グループホームであれば入居一時金はほぼ必要がないことが多く、毎月1530万円程度の利用料金です。

特別養護老人ホーム・老人保健福祉施設・介護医療院などは入居要件があるものの、月の利用料金も安く一時金も必要ありません。

ただし特別養護老人ホームは、要介護レベルが低く家族がいる場合は利用できないなど、要件に該当しなければ入所できないため注意してください。

老人保健福祉施設も入院治療後に自宅復帰するリハビリを目的としているため、長期入所はできず3か月程度の入所が目安となります。介護医療院は、医療処置が常に必要な方が利用するため、介護保険ではなく医療保険で入院する病院であり、慢性的な病気を持ち医療的ケアが必要な方でなければ難しいでしょう。