介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護事業者が生活援助を専門の人材確保するために創設された研修とは?

2021.05.21
分類:その他

掃除・洗濯・調理などの生活援助サービス、そして食事・排せつ・移動などの身体介護サービスを切り分けて、生活援助を専門的に担当する人材確保のため20184月新しく創設された公的資格が「生活援助従事者研修」です。

具体的にどのような内容の研修内容となっているのか、その内容についてご説明します。

生活援助従事者研修が創設された背景

介護職員初任者研修で学ぶ内容は、身体介護や生活援助など介護現場で働く方全般に向けていますが、生活援助従事者研修では訪問介護員業務の中で生活援助支援を学びます。

取得まで59時間(通学での時間数は約30時間・通信学習29時間)となっているため、介護職員初任者研修の130時間と比べると短期で修了できることが魅力といえるでしょう。

生活援助従事者研修は、介護現場で問題となっている労働力不足を解消するために創設されました。

訪問介護事業所では生活援助と身体介護のどちらも可能とする介護職員初任者研修の資格を取得していることが必要ですが、有資格者を確保することも難しくなっています。

そこで、生活援助サービスと身体介護サービスを切り分け、生活援助だけを専門とした人材確保を可能とするため新しく創設されたといえます。

 

生活援助従事者研修を取得するメリット

生活援助従事者研修の受講にとくに制限は設けられておらず、誰でも受けることができます。

他の資格よりもカリキュラムの時間数が短く設定されているため、子育て中の主婦や異業種で勤務中という方でも受講しやすくなっています。

生活援助従事者研修を修了すると、訪問介護事業所のヘルパー人員の基準である常勤加算2.5人以上の対象としてカウントされるのも特徴です。

 

ホームヘルパーとして活躍可能

生活援助従事者研修の資格を取得した後は、ホームヘルパーとして訪問介護事業所などの生活援助業務を行う介護事業所で活躍できます。

掃除・洗濯・食事の調理・片づけ・買い物・衣類の整理整頓・ベッドメイク・薬の受け取りなどのサポートは可能ですが、食事・排せつ・移動など利用者の体に直接触れて行う身体介護は業務外です。

日常生活でできなくなってきたことに対し、援助する生活援助サービスが基本となります。

利用者の体に直接触れる身体介護は介護職員初任者研修等の資格が必要となるため、キャリアアップの道を目指すなら、まずは生活援助従事者研修の資格を取得し、後に介護職員初任者研修を取得するとよいでしょう。