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介護事業者の基礎知識|医療法人社団とはどのような組織?

2021.08.25
分類:その他

介護事業者が法人のことはめずらしいことではありませんが、中には医療法人社団などのケースもあり、具体的にどのような組織かよくわからないという方もいるでしょう。

医療法人社団とは社団たる医療法人のことですが、具体的にどのような法人なのかご説明します。

社団医療法人と財団医療法人の違い

株式会社や合同会社などは一般法人として知られていますが、20065月に会社法が施行されてから有限会社は設立できなくなり、既存の有限会社は特例有限会社として存続することになりました。

そして社団医療法人も出資持分の定めのある医療法人は、2007年の医療法改正で基金拠出型医療法人のみ設立できるようになり、既存の出資持分の定めのある医療法人は経過措置型医療法人として存続するに至っています。

医療法人の類型は、「社団医療法人」と「財団医療法人」に大別されており、このうち社団医療法人は全体の99%以上を占めます。

基金拠出型医療法人も経過措置型医療法人も、医療法人を設立するときの資金を出資持分、または基金として拠出した社員が行う社員総会で理事が選任されます。

ただ、資金を拠出せずに社員になることも可能で、出資しなければ株主になれない株式会社とは大きく異なる制度となっているといえます。

社員総会が医療法人の意思を決定する重要機関であり、重要事項や決算報告などで承認を得る手続きを必要とします。

社団医療法人

実態が一定の目的をもとに集合した社団である医療法人のことで、たとえば病院や診療所などを開設することを目的とした人が集まって設立される法人ということです。

通常は複数の人から設立資金や不動産、医療機械など出資してもらう形で設立されることが多いといえます。

財団医療法人

法人格の基盤は財産であり、個人や法人が無償で寄付する財産に基づき設立される法人のことです。

持分はなく、解散したときにその財産は国や地方公共団体、他の医療法人のいずれかに帰属されます。

具体的に異なる部分

社団と財団、2つの医療法人の違いは、設立の際の社員数・必置機関・拠出財産の額・目的変更の可否など条件が異なる点です。

社団医療法人の場合、出資者が法人の資産に対し出資額に応じて有する財産権である出資持分の有無で区別できます。

持分定めのある医療法人は、出資者が出資した割合に応じ法人の資産を払い戻してもらうように請求できる権利を持っている法人であるといえます。

また、株式会社と医療法人が大きく異なる点として、医療法人にのみ配当禁止が課されていることが挙げられます。