介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護事業者が考える介護職員数を増やす取り組みはいつまでに必要か

2021.12.14
分類:その他

介護事業者の中にも、すでに2025年問題から2040年問題のことを考え、早く介護職員数を増やさなければならないと考える方はいることでしょう。

少し前までは、約800万人いるといわれている団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年問題が取り上げられることが多かったですが、この2025年には65歳以上の高齢者が国民の約3割を占めることになります。

医療費や介護費の増大に介護人材不足など、2025年問題について国もいろいろな対策を進めてきました。

しかし2025年が目前になった今では、新たに2040年問題について考え、介護職員数を増やさなければならないときが来ているとしています。

2040年問題では何が課題になるのか

2040年になると、第一次ベビーブームの団塊の世代の子世代である、団塊ジュニア世代が6570歳になります。

この世代はバブルが崩壊した直後のロスジェネ世代といわれる年代の人たちで、第二次ベビーブームに生まれた世代です。

2040年には経済を支える現役世代は今よりも急減し、労働力不足の深刻化で社会保障財源はひっ迫することが予想されます。

支えなければならない高齢者は多くなり、しかも正社員雇用につくことができなかった就職氷河期初期の世代のため、十分に年金制度に加入できていない可能性も考えられます。

そのような状況で介護を必要とする方は増え、介護施設の介護職員数も不足状態の中、介護難民が増えてしまう可能性もあるといえるでしょう。

 

将来的必要になる介護職員数とは

厚生労働省が公表している内容では、2025年度に必要とされる介護職員は約243万人となっています。

この時点で約32万人、介護職員が不足すると考えられていますが、2040年度には280万人の介護職員が必要になると試算されているため、不足は約69万人に増えます。

労働力が今後さらに不足し、いろいろな業界で人材を獲得する競争が激化することが考えられます。

ITなど最新技術を導入し、人材不足を補おうとする動きも見られますが、介護業界の場合にはすべてをロボットなどで対応することは難しいでしょう。

そのため介護人材を確保するため、今後は様々な取り組みを進めていくことがより必要となります。

 

2040年問題へ向けた国の対策

国が2040年を見据え、総合的に介護人材を確保するための取り組みとして掲げているのは、

介護職員の処遇改善

多様な人材の確保と育成

離職防止・定着促進

介護職の魅力を向上し周知する

外国人の人材受け入れ環境を整備する

5つです。

この中で介護職員の処遇改善は、勤続10年の介護福祉士の賃金を月額8万円上げるといったもので、キャリアアップを目指す人材を増やす効果も期待できます。

その上で、

介護スタッフの処遇をさらに改善させていく

経験・技能のあるスタッフを中心に処遇改善を図る

柔軟な運用を認める

といったことが介護職員数増加に向けて必要となるでしょう。