介護施設を運営している介護事業者のうち、ユニット型のケアを導入している方もいれば、従来型にこだわっている方もいることでしょう。
どちらも入居者と介護スタッフ、双方にそれぞれメリット・デメリットがある介護スタイルですが、ユニット型はきめ細やかなケアが可能となるなど特にメリットが大きいといわれています。
そこで、ユニット型とはどのような介護スタイルなのか、採用することによるメリットについて説明していきます。
介護スタイルのうち、ユニット型のケアでは入居者それぞれの個性と生活リズムに合わせて個別ケアを行います。
入居者が自立して生活を営もうとする意志を尊重する考えのもとによりできた介護ケアであり、福祉国家で長寿国のスウェーデンに由来するスタイルです。
新しく設立された特別養護老人ホームなどで採用されている介護スタイルで、10人以下の少人数を1つの生活単位とし、それぞれユニットごとに専用の居住空間とスタッフを配置します。
施設の規模は大きくても、生活単位は小規模のため、家庭的な雰囲気の中できめ細やかなケアが可能となるスタイルです。
入居者個人の生活スタイルを尊重するには、入居者のみのスペースがあったほうがよいといえます。
ユニット型のケアは入居者の部屋が個室となるため、プライバシーが確保されやすいことが大きなメリットです。
部屋は個室でも他の入居者とのコミュニケーションが取りやすいように、ユニット専用のリビングスペースがあるなど、少人数で他者と関わることのできる環境が整備されています。
食事・入浴・イベントなどもユニットごとなので、従来型の集団的介護ケアとは違った個別対応型のケアが可能となることもメリットです。
ユニット型のケアは少人数でいつも同じメンバーで生活を送ることができるため、認知症の方が多く生活するグループホームなどで採用されています。
また、寝たきりで動くことが困難な方でも、ユニット専属のスタッフが近くにいることや、ユニットのリビングから他の入居者やスタッフの話し声が聞こえる環境となるため安心感が持てます。
反対に介護レベルがそれほど重度ではない方や、多くの方とつながりを持ちたいという方の場合、ユニット型のケアではなく従来型のほうがよいといえるでしょう。