公的な介護施設である特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの場合、どの施設も似たつくりではないかと考える介護事業者もいることでしょう。
民間の介護施設のほうが個性や強みを出しやすいといえますが、公的な介護施設は多床室型施設で同じというわけではなく、居室も複数のバリエーションがあり入居後の過ごし方に違いがあります。
そこで、どのような居室タイプになっているのか、従来型の多床室型施設とユニット型施設の部屋の違いを説明します。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設の居室は、以前からの従来型と、比較的新しいといえるユニット型に分けられます。
さらにユニット型は個室と個室的多床室に分かれ、それぞれ特徴が異なります。
ユニット型とはユニットケアを取り入れた居室となっており、限りなく自宅で生活しているときと似た環境で施設生活を送ることができるようにしています。
ユニットは10人程度で1つのグループとなり、部屋は完全個室なのでプライベートも守られやすいといえるでしょう。
各個室の前に共有のリビングスペースがあるなど、リビングのまわりに部屋が配置されていることが特徴です。
共有スペースからの話し声が聞こえる環境なので、個室にいてもさみしさを感じることなく、自然に共有スペースに人が集まりやすくなっていることもメリットといえます。
ユニット型のうち、準個室と呼ばれる個室的多床室の場合には、以前は大部屋だった居室を簡易的に壁で仕切り個室のようにしています。
自分だけのスペースを確保でき、比較的プライバシーも守られやすいですが、完ぺきなプライベート空間を確保できるわけではなく、音などは他の入所者に伝わってしまいます。
ただ、他の入所者などの目を気にせず生活できることはメリットといえます。
古くからある介護スタイルで、病院の病室で生活するイメージです。
多数の介護スタッフが多数の入居者に対しケアを行う集団ケアが基本であり、効率的にサポートを行うことができます。
2~4人が1つの部屋で生活することになるため、プライベートな空間を持つことは厳しくなりますが、他の入所者とのコミュニケーションが取りやすいため安心感を持てることはメリットです。
また、従来型でも個室を設けているケースもあり、入所者はプライバシーを確保しやすい環境となっています。