介護事業者と公益財団法人は関連性がないと感じる方もいるでしょうが、結核予防会・シルバーリハビリテーション協会・老年病研究所などは公益財団法人です。
また、老人保健施設などの運営母体が公益財団法人になっていることもあるため、介護事業者とまったく関連性がないわけではありません。
公益財団法人とは、2008年12月から公益法人改革三法が施行されたことで従来までの公益法人制度が新しくなり、新たに設立可能となった法人格です。
しかし公益財団法人とはどのような法人格なのか、詳しい介護事業者はそれほど多くないといえるため、その内容について説明していきます。
2008年12月に新公益法人制度が施行されたことにより、当初2万4千という数の公益法人は、特例民法法人から合併や解散などで約2万にまで減少し、さらに2013年11月末までに一般法人または公益認定に移行する申請を行いました。
その結果、公益に移行したのは約9千の法人であり、残りは一般法人へ移行されています。
国税庁の法人番号公表サイトから見た2021年3月時点の数は、
・公益法人は9,794
・一般法人は74,683法人(公益財団法人5,594・公益社団法人4,200・一般財団法人7,743・一般社団法人66,940)
となっています。
従来までの公益法人は、行政との結びつきが強固である機関が多く、官僚の天下り先になっているケースも少なくありませんでした。
補助金が無駄に使用されていることもあり、様々な問題が指摘されていたといえます。
しかしこのままではいけないと、新公益法人制度により要件の厳しい設立許可制度も廃止されとなり、登記すれば法人を設立できるようになりました。
公益法人改革三法が施行されたことで社団法人財団法人は次の4種類の法人格に分かれました。
・一般社団法人
・一般財団法人
・公益社団法人
・公益財団法人
公益事業が目的の場合には、指定された機関の認定を受けて公益社団法人や公益財団法人を設立できます。
これに対し、一般社団法人や一般財団法人は非営利法人ではあるものの、公益を目的とする必要はなく利益を追求する目的でもよいとされています。
公益法人であれば公益性を担保できるため、社会的な信用を得やすくなるでしょう。ただし公益認定等委員会から認定してもらうことが必要になるため、一定基準を満たすことが必要など、容易に設立できるわけではないと留意しておいてください。