介護事業者が運営する介護施設にはいろいろな種類があり、施設の母体となる法人格も様々です。
母体とする法人が一般社団法人というケースも少なくありませんが、そもそも一般社団法人とは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づき設立した社団法人のことを指しています。
そこで、一般社団法人を設立する方法や、定款にはどのような記載事項が必要になるのか知っておくようにしましょう。
一般社団法人を設立するときには、次のような手続が必要となります。
①法人設立後に最初の社員となる方2人以上が設立時社員として、定款を作成し公証人役場で認証してもらう
②設立時監事や設立時会計監査人を設置する場合、設立時社員は設立時理事を選任する
③設立時理事が設立手続の調査をする
④設立時理事または設立時代表理事など法人代表者は、法定期限内に主たる事務所の所在地管轄の法務局に設立登記を申請する
なお、一般社団法人を設立するときには2人以上の社員が必要です。
法人を設立した後で社員が1人のみになった場合、一般社団法人は解散しないものの社員が0人になったときには解散することになります。
一般社団法人の社員は法人でもなることはできますが、法人の従たる事務所の性質を有している支店・支部・営業所などの場合にはなることはできません。
一般社団法人の定款には、主に次に挙げる事項を記載しなければならないとされています。
・目的
・名称
・主たる事務所の所在地
・設立時社員の氏名または名称および住所
・社員の資格の得喪に関する規定
・公告方法
・事業年度
もし監事・理事会・会計監査人を設置するときには、その旨について定款に定めておくことが必要です。
また、定款に記載しても次の事項は効力を発揮しません。
・一般社団法人の社員に、剰余金または残余財産を分配するなどの定め
・法規定により社員総会の決議を必要とする事項を、理事・理事会・その他の社員総会以外の機関が決定できるといった定め
・社員総会で決議する事項の全部につき、社員が議決権を行使できないといった定め
他にも強行法規や公序良俗に反する定めについては無効となるケースもあります。
一般社団法人には、社員総会だけでなく、業務執行機関として理事1人以上は置く必要があります。
また、定款の定めで理事会・監事・会計監査人を置くことも可能です。理事会や会計監査人を設置するときには監事を置くことが必要となります。
なお、大規模一般社団法人(貸借対照表の負債合計額が200億円以上の大規模一般社団法人の場合は、会計監査人を置くことが必要とされています。