高齢化が進む日本では、介護を必要とする方が増えているのに対し、利用できる施設は限られているというのが現状です。
そのため介護施設に入所して介護サービスを利用するのではなく、普段は自宅で過ごし必要なときにデイサービスなど利用するケースも目立ってきました。
ただ、デイサービスでは利用者を自宅から施設まで送り迎えする「送迎サービス」が提供されるため、施設まで通うときの負担はある程度軽減されるといえます。
では、デイサービスで提供する「送迎サービス」を行うためには、どのような資格が必要になるのでしょう。
通所介護のことをデイサービスといいますが、自宅で生活している要介護認定を受けた高齢者に対し、自宅とデイサービス間の送迎を行うこともサービス提供に含まれます。
デイサービスでは、食事の提供・食事介助・入浴介助・排泄介助・機能訓練・健康チェックなどが行われますが、送り迎えは担当ドライバーを雇用するケースと、介護職員や生活相談員などが担当するケースがあります。
デイサービスで行う利用者の自宅間の送り迎えでは、ドライバーは次の仕事を担当します。
・送迎用車両(一般車両・福祉車両・マイクロバスなど)の運転
・利用者の送迎スケジュールやルートの把握
・効率的な送迎ルート構成・提案
・利用者の乗降時の介助
・送迎の際の居宅内介助(更衣・移乗・戸締りなど)
・利用者の家族との連絡
・自動車の維持・管理(給油・運行前点検など)
・緊急時対応・連絡
・運行記録の管理
これらの業務を担当しますが、送迎ドライバーは普通自動車運転免許があれば問題なく、2種免許は取得する必要はありません。
バスで送迎する場合には、大型または中型の自動車免許が必要です。
送迎のみ担当する場合には介護の資格は必要ありませんが、送り迎えのときに利用者の居宅内介助も行うときには、次の資格要件の対象となります。
・介護福祉士
・実務者研修修了者(同等の研修修了者)
・介護職員初任者研修修了者(同等の研修修了者)
・看護職員(看護師・准看護師)
・機能訓練指導員(理学療法士など)
デイサービスでは送迎が基本報酬に組み込まれているため、利用者の送り迎えをしなければ介護報酬を減算することになります。
ただし、送迎はデイサービスと自宅間なので、自宅以外へ送迎することは認められてませんので注意してください。