介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護現場で働く職員の数が増えない状況を改善させるために

2019.12.17
分類:その他

少子高齢化が進み、日本国内の企業で大きな社会問題として取り上げられているのが人材不足です。

業種を問わず不足する人材をどのように補うべきかが問題とされていますが、その中でも介護職は職員が足らず特に厳しい状況が続いています。

そのため、介護施設の中には不足する人員の数で何とか対応しようと、スタッフも疲弊している状態ということが少なくありません。

慢性化する職員の不足で負の連鎖が生じており、政府もさまざまな対策を講じている状況ですが、中長期的に見ればさらに厳しい状態です。

今後どのくらい介護現場の職員は不足する?

日本は少子化が進み総人口は減少に転じている一方で、65歳以上の高齢者人口は上昇するばかりです。さらに平均寿命も延び、このままでは2025年には3割が高齢者となる時代がやってきます。

寝たきり年数が他国よりも長いという事情も加われば、要介護認定を受けている高齢者の人数は今後も増えていくことになります。

2025年時点で介護人材の需要として見込まれているのは約253万人ですが、一方で介護人材の供給は約215万人。その38万人という差をどのように埋めるのかが問題です。

さらに東京や大阪では3万人以上、周辺地域では2万人以上の介護人材が不足することが予想されていますので、大都市ではかなりの数の不足が予想される状況なのです。

 

介護現場のマイナスイメージは変わらない?

人材不足だと感じる介護事業者の割合は年々上昇しているのは、新たな人材の採用が難しい状況が関係しています。

賃金が低いのに仕事内容は厳しい、さらに社会的な評価も低いといったマイナスイメージが定着しており、現場の実態もやはり過重労働によるストレスなどで離職率が高いなど、イメージが好転することは期待できそうもありません。

 

今後も国や自治体の取り組みを見守ることが必要に

この介護人材の不足は国も問題視しており、待遇問題では通算月額5.3万円相当の改善を促し、資格を有する介護職離職者を復帰させる施策なども進めています。

介護業界に興味のある方に対して、実際に就業したときの不安を払拭することを目的とした入門的研修の新設に、訪問介護の業務に従事する際の条件緩和など、いろいろな対策を講じています。

国だけでなく、自治体もそれぞれ取り組みを行い、より多くの方が介護業界で新たな人材として働くことができるような対策を打ち出している状況です。

ただ、まだまだ介護現場の職員の数は十分とはいえず、今後どのような対策が講じられることになるのか見守る必要がありそうです。