高齢で介護を必要とする状態になる方の中には、精神障害を抱えている方もいます。
この場合、精神障害を抱える方に対し日常生活支援を提供する施設などを利用することとなりますが、具体的にどのような福祉サービスがあるのか説明していきます。
精神障害がある方の日常生活支援には、主に次のようなサービスがあります。
規則正しい生活を目指すことや、同じ疾患を抱える仲間と交流を図ることが可能となるのが精神科デイケアです。
精神科や心療内科に併設されていることが多く、平日の9時から15時頃まで利用できることが多いといえます。
看護師や精神保健福祉士など専門職が所属しているため、日常生活を送る上で困っていることなど、気軽に相談しやすいはずです。
また、治療の一環として昼食も提供されますが、外来通院の一種として健康保険加入者なら保険を使って利用できます。
看護師・精神保健福祉士・作業療法士など専門職が決まった日時に自宅を訪問し、生活を送る上で必要なことや服薬管理などの相談に対応してくれるサービスです。
精神障害などが原因で料理や掃除など家事が厳しくなったときなど、不規則な食事や不衛生になるといった問題も発生します。
身の回りのことを行うことを苦痛に感じる方が人の手を借りたいと感じたとき、ホームヘルプサービスを活用してもらうことで、普段の家事など代行し利用者の生活を支えることができます。
精神科デイケアを利用するためにはかかりつけ病院の主治医に相談することが必要ですが、本人と主治医の同意があれば利用可能です。
外来診療に含まれるデイケアの場合、保険適用で70歳未満なら3割の負担で利用できます。
ただ、市役所で自立支援医療手続を行うことにより1割負担で利用可能です。
訪問看護を利用するときも主治医に相談をした方がスムーズであり、計画相談の相談員にも相談できます。
主治医がサービスを利用した方がよいと判断したときは推薦書類を作成し、主治医や訪問看護サービスのスタッフが適切なサービス内容の計画を立てていきます。
訪問看護の利用も保険を適用させることができるため、精神科デイケアと同じく1割負担のみでサービスを利用できるようにしておきましょう。
ホームヘルプサービスは、サービスを提供している事業所や主治医に相談し、専門スタッフが本人の希望するサービス内容の計画を立てていきます。
市区町村役場の窓口に申請が必要となり、調査後にサービス適用が許可されれば、精神障害者居宅介護等利用者証が交付され、1割負担でサービスの利用が可能になります。
なお、精神障害者保健福祉手帳を所持しているか、障害年金を受給しているか、どちらかに該当しなければホームヘルプサービスは利用できませんが、精神障害者保健福祉手帳はホームヘルプサービスと同時申請が可能です。