親の介護に必要な費用を、すべて自費でまかなっていたらあまりにも費用がかかりすぎて不足が生じてしまった…といったことにならないためにも、介護費用は親の財産から捻出することが必要です。
親の介護問題はある日突然やってくるもので、介護期間は一般的に7~8年といわれているものの、実際には医療の進歩などで長寿化している状況のため、10年以上続くこともめずらしいことではありません。
親には長生きして欲しいと願うものの、介護費用の負担額は増えるばかりです。
親の介護に自分のお金を使っていると、自らの生活はどんどん苦しくなる一方です。
親の介護なのだから、親のお金を使うという考えで向き合っていかなければ、介護を行う上で心身に負担がかかっているのに、その上金銭的な負担も増やすこととなり、押しつぶされてしまいます。
この場合、長引く親の介護で子が破綻してしまわないよう、親が元気なうちに準備が必要です。
介護にはどのくらいの費用がかかるのだろうと漠然と想像していても意味がないので、親の懐事情を確認し、いくらまで介護に費用をかけることができるのか把握しておきましょう。そこから利用できる介護サービスを逆算して考えていきます。
介護の使う銀行口座のキャッシュカードの所在や暗証番号を知っておけば、何かあったときにお金の出し入れをスムーズに行うことができます。
親の年金や預金を引き出して介護費用に充てたくても、肝心の暗証番号がわからずどうにもならないといった方も少なくありません。
そこで、親の口座のキャッシュカードとは別に、本人以外がお金を引き出すことができる代理人カードを作ってもらっておくと安心です。
親から介護費用の準備金を預けてもらっておくとよいでしょう。もし親名義の定期預金などがあるのなら、解約して子名義の口座を作り、預かり金として入金してもらいます。
ただしあくまでも子のお金は介護に使う預かり金であることを記した覚書を交わしておくことを忘れないでください。
贈与税などが発生するのでは?と心配される方もいるかもしれませんが、預かり金という名目なら贈与税の課税対象にはなりません。
ただ、親が亡くなったときにその預かり金に残金があれば、相続財産として扱われることになりますので、その点は忘れないようにしておきましょう。