家族が要介護状態となり介護サービスを利用することが必要になった場合、在宅介護と施設介護のどちらを利用するべきか考えることとなるはずです。
そのような悩みを抱える方に対し、在宅介護と施設介護はどのような違いがあるのか、それぞれの内容やメリット・デメリットをしっかり説明できるようにしてきましょう。
在宅での介護を選ぶ理由は、介護を必要とする方がこれまで住み慣れた自宅で生活を続けることを希望していることや、要介護者と同居する家族の理解や協力を得られる環境であることなどでしょう。また、独居の方でも大きな支障をきたすことなく、日常生活の維持が可能であるという場合は在宅介護で対応することを選ぶこととなります。
在宅介護を選んだ場合には、どのサービスをどのくらい頻度で利用するのか、状況に合わせて組み合わせ選ぶことが比較的容易になります。
ただ、介護を受けることとなる要介護者に対して介護を行う家族の負担は増えてしまい、在宅での時間が長くなり、身体や精神面での負担が増大することになるでしょう。
また、現在は介護現場で働くスタッフの人材が不足していますので、必要とするときにサービスを希望どおり受けることができない場合も出てくるかもしれません。
そしてもっとも重要なのは、特定の家族が介護を行うことになると、負担が重く鳴り過ぎて共倒れしてしまう危険性も高くなることです。
施設介護に入所する形で介護サービスを利用することになれば、介護スタッフや医療従事者などから24時間体制でケアを受けることが可能となることが大きなメリットです。
ケアが充実する分、施設介護は有料老人ホームなら月15万円前後かかることが多く、出費が増えるという部分はデメリットではあります。
さらに介護を受ける要介護者が、ずっと住んでいる自宅から離れたくないという気持ちを尊重してあげたいという思いはあるでしょうし、介護施設に預けることは責任を放棄したような罪悪感を抱いてしまう傾向もあるようです。
ただ、要介護度が高い場合には、夜間に体位を変換したり経管栄養や吸引したり、専門的な介護や医療が必要です。
そして認知症を患っている場合には24時間体制で見守りが必要になることもあるため、在宅で介護を無理に続けようとすると介護を行う側がストレスをかかえてしまい、介護疲れで倒れてしまう可能性もあります。
そのため、在宅介護か施設介護か選ぶ際には、様々なことを加味して総合的に判断することが必要であるといえるでしょう。