介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

福祉業界が抱える人材不足の問題を解消するにはAIに頼らない姿勢も重要?

2020.03.28
分類:その他
福祉業界が現在抱えている問題は、介護施設などを利用する方たちに対して人材が不足という現状であることです。 介護施設では力仕事や体力などが重要視される業務も多く、高齢者が増えている現状からみてもAIなどによって作業を効率化させることも検討が進んでいます。 ただ、優秀な人材を確保することの必要性には変わりなく、国でも国家資格を保有しているスタッフを増やすことはできないかと様々な対策が打ち出されている状況です。 ただ、福祉業界は国家資格などなくても働きはじめることは可能なので、誰でも始めやすいことからより積極的な人材雇用が求められるといえるでしょう。

2025年問題を解決してくれるのはAI?

人手が欲しいからと募集をかけても人が集まらず、雇用してもすぐに辞めてしまう、このような原因となっているのは待遇の悪さや体の故障、人間関係などです。 しかし2025年、人口の多い団塊の世代が後期高齢者となれば生産年齢人口2人で1人の高齢者を支えなければなりません。 現在活用されているロボットは、例えば入浴が一人でできない方に対し、ボタン1つで体を洗い乾燥まで行う機械浴や、利用者自身の運動エネルギーを増幅してくれるロボット、抱きかかえなど力が必要な利用者への介護を負担なく行うことができるロボットなどです。 ベッドにセンサーが備えられていて、人の重みを検知できなくなった時にはブザーが鳴り徘徊などを知らせてくれるものもあります。さらに腹部に小さな装置を装着すると、排泄のタイミングを前もって知らせるセンサーなども作られており、様々なAIやロボットに期待が寄せられている状態です。 ただ、AIを導入するにしても、細かなケアまでは行き届くと考えにくい点も問題です。

福祉業界に定着してもらうためには

福祉業界を多くの方が目指すようになるためには、汚い仕事・待遇の悪い仕事・初心者でもできる仕事、という考えで希望するのではなく、魅力を感じてもらえる仕事でなければなりません。 AIにはできず、人だからこそできる仕事であれば、介護や福祉の仕事に携わることを喜びと感じてもらうこともできるでしょう。 利用者が人間らしい生活を送り、その人らしさを失わずに暮らすには、AIで推し量ることはできません。

介護は考える杖であることを忘れないこと

介護は考える杖と表現されることがありますが、単なる杖でれば利用者が上手く使わなければ機能を果たせません。 AIで杖を補助したとしても、利用者の体重や疾患を把握した適切なサポートができるでしょうか。やはり人だからこそ、機能される杖を作り上げることができるといえます。 AIには代わることのできない人としての仕事が介護や福祉業界にはあると考えていけば、魅力をアピールしていくことで人材不足の問題も解消されるようになるでしょう。