介護・福祉業界で深刻化したマスク不足で始まった取り組みとは?
新型コロナウイルスが確認されてから、マスク不足が続きドラッグストアでも入荷は未定という状態が続きました。
フリマサイトで高額転売されるなど、マスクが販売されていない状況は医療や福祉業界でも深刻な状況を生むこととなったのです。
実際、東京都内の病院で新型コロナウイルスの院内感染が相次ぐといった問題がおき、全国の介護・福祉施設などでも集団感染が発生するという事態が起きました。
特に福祉業界は感染リスクが高い場所であり、マスク不足により感染リスクを高めるなど現場で働く方の精神的な負担を増大させることとなったのです。
福祉業界のマスク不足解消のために立ち上げられたプロジェクト
多くの介護・福祉施設ではマスク不足が深刻な状況となり、使い捨てマスクを洗い繰り返し利用するといったことも行うしかない状態でした。
そこで、4つの福祉団体が協力して福祉現場にマスクを届ける「#福祉現場にもマスクを」プロジェクトなどが立ち上げられたのです。
「#福祉現場にもマスクを」は、プロジェクトに賛同した方がマスク購入や配送のために必要な費用を1口2千円から寄付するか、またはマスクそのものを寄付という形で支援します。
マスク不足で困っている介護・福祉施設は1施設につき最大500枚までのマスクを申し込むことが可能で、2020年4月22日に発足されてから5月11日までの20日間で約533万円の寄付金と約5万8千枚のマスクが集まり193か所の介護・福祉現場に届けられています。
購入したマスクの一部をおすそわけする仕組みも
実際にマスクを受け取った介護・福祉現場からは多くの感謝の声が届けられ、助けてもらった介護・福祉施設の方からも寄付金が届けられるといった寄付の循環が生まれているようです。
他にも「おすそわけしマスク」といって、賛同者が1箱55枚入りのマスクを購入すれば、5枚分は自動で介護・福祉現場におすそわけされるといった取り組みを立ち上げた法人もあります。
「おすそわけしマスク」は大人用・子ども用の2つのサイズがあって、それぞれ50枚入り2,772円(税込)と一般のものより高額です。
しかし品質にこだわって作られており、マスク不足で困っている介護・福祉現場や社会の役に立つことをと始められました。
現在では少しずつマスクや消毒液の販売がされるようになったものの、常にマスクを着用しなければ状態の介護・福祉現場では1枚でも多くのマスクが手に入るほうが助かるはずです。
第2波・第3波が不安視されている状況なので、今後も介護・福祉現場のマスク供給をサポートする仕組みが広がることが期待されます。