福祉業界の現状と抱えている課題とは?

日本は高齢化が進んでいるため、福祉業界に対するニーズは高まる反面、業界で働く人材が不足がちなことが大きな課題となっています。
福祉業界での仕事は厳しい面もありますが、やりがいを感じられるというメリットもある上、社会貢献できることも特徴です。
しかしどうしてもハードな仕事に安い給料というマイナスイメージが高く、実際に離職率も高いため不安を感じてしまう方もいるといえます。
福祉業界が解決しなければならない課題とは?
福祉業界では高齢者や障がいを持つ方に対し介護福祉サービスを提供しますが、高齢者数の増加で需要が急増しています。
高齢者が増加しているということは、介護保険適用の要介護認定を受けている人も増えているということです。
福祉業界に対する需要は今後も伸び続けると予測されますが、その上で課題とされるのは主に次の3つといえます。
人材確保が困難
福祉業界で大きな課題となっているのは、現場で働く人材が不足していることです。高齢者増加に伴って、福祉サービスを提供するための人材は常に求められていますが、現場は不足したまま。
募集をかけても人が集まらず、人材確保に至っていません。特に若い世代からの人気がなく、今後さらに少子高齢化が進めば福祉業界を支える人材はいなくなってしまう可能性もあるといえます。
2025年の福祉業界の人材需要は253万人とされていますが、人口推移などみると福祉業界従事者数は215万人になるとされています。この時点で約38万人、人材が不足することがすでに予測されているのです。
ニーズは高まり続けているのに人手が足りていない状況は、今後改善していかなければならない大きな課題といえるでしょう。
介護スタッフの待遇が改善されない
福祉業界の需要が大きくなるにつれ、介護スタッフも多く必要となりますが、ハードな仕事内容なのに待遇がよいといえない状況が続いています。
国も働き方改革や介護福祉士などの賃金をアップさせる施策などを出し、現場の待遇が改善されるような取り組みを行っていますが十分とはいえません。
福祉業界の課題はこのままでは解決できない?
福祉業界で大きな課題である人材確保のため、外国人の介護福祉士に対するニーズも高まりつつあります。
しかし現在は新型コロナウイルス感染症の影響で、外国人人材を積極的に雇用できる状況ともいえません。感染拡大防止のため、新たな人材を雇用し教育したくてもできない状況にあるといえるでしょう。
今後は施設入所による介護サービス提供ではなく、在宅による介護が主になるともいわれていますが、いずれにしても介護人材を確保できなければ適切なサービス提供に至らないことを国はさらに重く受け止め改善できる策を講じていくことが必要となるでしょう。