福祉業界のうち介護分野でキャリアアップを目指す道とは?
役職や職位に就くまでに必要とする業務や道筋のことをキャリアパスといいますが、キャリアアップするまでの道筋とも言い換えることができます。
福祉業界の中でも介護分野は、人材確保や定着度を高めるためにもキャリアアップできる仕組みをつくることが必要といえます。
現在、深刻な人手不足に悩まされている福祉・介護業界において、スタッフがモチベーションを高めずっと介護職員として働いていきたいと感じてもらうためにも、スタッフをキャリアアップさせる取り組みを検討していきましょう。
キャリアアップを目指す上で必要な資格
介護現場で働くスタッフにキャリアアップを目指してもらうには、専門的なスキルや能力が身についていることを証明できる資格を取得してもらうことが望ましいといえます。
介護分野のキャリアアップ資格として挙げられるのは国家資格の「介護福祉士」ですが、下記のようなルートでキャリアを上げていくことになります。
まずは介護職員初任者研修から
介護に関する基礎を学習するため、これから介護現場で働こうとする方や、介護の仕事を始めたばかりの方に適しています。2週間から3か月程度の研修を受講することになりますが、修了でまずはキャリアアップの第一歩といえます。
次に応用資格となる実務者研修
介護職員初任者研修の応用といえる内容を学びます。介護スタッフとして実践的な部分を学び、介護の知識や技術の他、喀痰吸引や経管栄養など医療的ケアも学習します。研修にかかる期間は約6か月なので、現場で実務経験を積みながら学んでいくことになるでしょう。
いよいよ介護福祉士
「社会福祉士及び介護福祉士法」による介護職唯一の国家資格であり、福祉系の学校を卒業している方や、3年以上の実務経験に加え実務者研修修了など一定の要件を満たさなければ受験できません。
さらにケアマネジャーや認定介護福祉士を目指す
介護福祉士に合格した後は、介護支援専門員(ケアマネジャー)を目指すキャリアアップの道もあります。
ケアマネジャーとは、利用者ごとに適した介護サービスを本人や家族と話し合いながら決定しケアプランを作成するといった業務を担当します。
他にも利用者やその家族と介護サービス事業者の間で橋渡しの役割を担うこともありますし、介護サービスを利用した利用者の状況など定期的に確認するといった業務を行います。
介護福祉士を取得し、介護業務に5年間従事すれば受験資格を得ることが可能です。
他にも介護福祉士の上位資格である認定介護福祉士もキャリアアップとしてふさわしい資格といえます。
2015年12月から一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構がスタートさせた民間資格ですが、介護福祉士の知識やスキルをさらに上回る新たな知識や介護実践力を修得していることを証明できます。
介護サービスの質を向上させるための指導を行う能力と実践力が磨かれるため、キャリアアップを目指す介護スタッフには取得してもらいたい資格といえるでしょう。