増々ニーズが拡大される福祉業界の今後の動向は?
日本の人口は1億2,257万人であり、そのうち65歳以上の高齢者の人口は約3,600万人です。
2025年には2.8人に1人が高齢者という超高齢化国家になるといわれているため、福祉業界へのニーズは高まっていますが、多くの先進国から注目されている福祉業界の現在の動向などを確認しておきましょう。
福祉業界の市場は2025年には22兆円規模へ
高齢化が加速し続ける日本では、福祉業界においての市場拡大などめまぐるしい状態です。
人口の3分の1が65歳以上の高齢者となる2025年の産業発展予測は、福祉市場は22兆円となっており、外食産業の24兆円とそれほど変わりません。
IT産業は14.5兆円、医療用医薬品産業が10兆円、ロボット産業5.3兆円と、福祉に関連していくと考えられる産業も市場が拡大されることが予想されています。
介護施設だけでなく、健康な方も利用可能となる様々な福祉系サービス、それに関連する設備やロボットの開発・導入など、今後さらに福祉産業の市場は大きくなっていくことでしょう。
IT業界並みの収益性
たとえば「福祉用具レンタル・販売」などは社会福祉・介護事業に属しますが、総務省が公表している統計資料での社会福祉・介護事業の売上高営業利益率は8.4%となっています。
IT業界の8.6%と変わらない高い水準であり、さらに医療・保健衛生業の利益率は10.4%なので、介護産業の市場規模は今後も拡大されると考えられます。
2025年度は15.2兆円になるなど、年率約5%平均で成長していくことが見込まれており、成長性・将来性のあるビジネスといえます。
介護保険制度の動向
社会福祉・介護業界と大きなかかわりのある介護保険制度ですが、2000年以降はこの制度が施行されたことで人々の生活にも大きな影響を与えました。
今後も法制度は変更されることが予測されますが、法律が変わるとそれまでの強みやノウハウが通用しなくなることもあるため、厚生労働省「公的介護保険制度の現状と今後の役割」を参考にどのような制度改正が行われてきたのか把握しておきましょう。
2005年
・介護予防重視
・施設給付を見直し
・介護サービス情報の公表
2008年
・介護サービス事業者の法令遵守
・休止・廃止を事前届出制
・休止・廃止時のサービス確保を義務化
2011年
・地域包括ケアを推進
2014年
・在宅医療と介護の連携、認知症施策の推進
・予防給付の地域支援事業に移行
・保険料軽減割合を拡大
・一定以上の所得の利用者の自己負担引き上げ
2017年
・自立支援と重度化防止を制度化
・介護医療院の創設
・新しい共生型サービスの位置づけ
・総報酬割を導入