福祉業界も新卒採用がより重要になるその理由とは

福祉業界に新卒で入社する学生の多くは、経済学部や文学部の方が多くなったといえます。
売り手市場といわれていた新卒採用ですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、だんだんと状況は変わってきました。
そこで、福祉業界の新卒採用の現状と、なぜ新卒採用が有効なのかをご説明します。
新卒採用の現状
2020年4月入社の大卒者の有効求人倍率(1人あたりの求人数)は1.83倍でした。
学生のほうが優位な状態である売り手市場といわれており、中でも介護業界の有効求人倍率は4.3倍だったので、人材確保が厳しい状況であることをあらわしています。
2021年4月入社は新型コロナの影響により、業界によっては採用を延期や中止する企業も多く出てきました。
実際、2021年3月卒業の大卒求人倍数は1.53倍となり、前年より0.3ポイント低下しています。
まだ収束しておらず、先行きが見えない新型コロナの影響は続くと考えられます。
そのように考えれば、介護・福祉業界に人材が流入することも期待できるため、人材確保が厳しい状況にある介護事業者にも希望の光が見えたといえるでしょう。
介護・福祉業界にとって新卒採用は重要
介護・福祉業界は人材が流入しにくい業界といえます。特に若い世代が敬遠しがちなので、新卒で雇用しにくいといえます。
しかし中途採用ばかりでは、介護スタッフの年齢に偏りが生まれてしまう可能性があります。
実際、施設介護労働者の平均年齢は約45歳、訪問介護労働者の平均年齢は約56歳で、20代のスタッフは全体の1%程度しかいません。
また、新入社員が入社することで、社会経験のない若い世代を迎え入れる空気ができます。
人間関係に良い刺激を与え、吸収力の高い新卒の人材を育成することで、改めて日々の仕事を振り返り知識・技術を学びなおすことができるでしょう。
これまで慣習化していたことや、暗黙のルールとして流されていたこと、気がつきにくかった問題点などを見直す機会にすることができます。
また、若い世代をスタッフとして迎え入れることで、高齢者と若い世代のふれあいが可能となり利用者の活性化にもつながります。
新卒採用のほうが定着率はよい?
中途採用と新卒採用を比較したとき、新卒で入社したスタッフのほうが定着率は高いとされています。
定着率が上がれば新たに人材を雇用するコストも抑えることができ、利用者にも安定したサービスを供給できるようになります。
さらに次の新卒に求人を出すときにも、定着率がよい法人は働きやすいと判断してもらいやすく、次の採用にもつながりやすくなるでしょう。