福祉業界で働く介護職の平均年収はいくら?
福祉業界の中でも介護の仕事は、激務で賃金も安いというイメージが強いといえますが、実際にはどのくらいが平均年収なのでしょう。
今後さらに需要が伸びていくと考えられる仕事のため、本来であれば平均年収も高くあってほしいと考えるものです。
そこで、介護従事者が実際にどのくらいの給料を受け取っているのか、その実態についてご紹介します。
特定処遇改善加算の影響は大きい
特定処遇改善加算は、技能・経験のある介護職員の処遇を改善することを目的として、介護報酬に加算し支給するための制度です。
勤続年10年以上の介護福祉士の月額平均8万円相当の処遇改善を行うという制度設計になっています。
特定処遇改善加算を取得した場合、既存の処遇改善加算に上乗せで介護報酬が加算されることになります。
加算率は2段階に分かれ、他に取得している加算の有無により傾斜がつけられていることが特徴です。
なお、一定の取得要件を満たせば勤続10年以上の介護福祉士がいない事業所の場合でも加算の取得はできます。
介護従事者の平均給与額
介護職員等の特定処遇改善加算のうち、加算(Ⅰ)~(Ⅱ)を取得・届出をしている事業所の介護職員(月給・常勤者)の令和2年2月の平均給与額は以下の通りとなっています。
介護職員 325,550円
看護職員 383,560円
生活相談員・支援相談員 355,150円
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・機能訓練指導員 364,040円
介護支援専門員 362,510円
これに対し、介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)の取得・届出をしている事業所のうち、介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅱ)を取得・届出していない事業所の介護職員(月給・常勤者)の令和2年2月の平均給与額は以下のとおりです。
介護職員 287,880円
看護職員 366,170円
生活相談員・支援相談員 316,570円
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・機能訓練指導員 341,090円
介護支援専門員 339,410円
介護福祉士の平均給与額は勤続年数による影響が大きい
介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅱ)を取得・届出している事業所の介護福祉士(月給・常勤者)の令和2年2月の平均給与額は以下の通りです。
勤続年数別に見ると、勤続年数が1~4年や5~9年の方よりも10年以上の方のほうが賃金は高く、従来よりも増えているようです。
1年~4年 310,780円
5年~9年 326,550円
10年以上 366,900円
人材不足解消に向けて必要なこと
介護従事者ごとの年収は上記金額に12をかければ目安とすることが可能です。
団塊の世代が後期高齢者になる2025年に向け、介護職員の需要は増え続けています。
今後も人手不足が解消しにくい介護業界では、どのように人材を確保するかが大きな課題となっているため、状況の改善を目的に導入されている介護職員等特定処遇改善加算の取得・届出が必要といえるでしょう。