福祉業界に求められる能力と人材とは
福祉業界では、質の高い福祉サービスを提供できることが求められますが、適切な人材を確保し定着させる質と量の好循環が必要です。
高齢化が進み、介護・福祉業界の利用者のニーズも多様化しており、それぞれが希望することをしっかり把握することが大切になっています。
そこで、介護・福祉業界の現場で働く人材に求められる能力にはどのようなことがあるのか、その内容について説明していきます。
なぜ介護・福祉業界は人材が足りていないのか
介護施設の利用者も重度化・高齢化しており、たとえば障がい分野で利用する方などは医療ニーズが高くなりつつあります。
そのため現場で働く人材には高い支援力が求められるといえますが、利用できる制度と利用者の状態に差があるなど、今の施設の機能が利用者と合わなくなっている場合もあるようです。
また、昔と違って核家族が一般的となり、独居の方や在宅ケアが困難な方もいるなど、生活状況が変化したことでより利用者ニーズは従来と変わってきています。
これらのことから適切に支援を提供することを目的とし、独自の職員配置基準を決める介護施設も増えつつあります。
介護・福祉業界の人材に求められる能力
介護・福祉業界は制度改正が多いため、その都度、改正内容を理解・対応することに追われがちです。
中堅層の職員を育成することが重要とされていますが、介護現場に求められる人材とは次のような能力を保有する方といえます。
精神労働に耐えることができる能力
介護現場はストレスがかかりがちですが、利用者に対し共感しつつ、冷静な判断ができる方が必要です。
中にはよかれと思って行ったことでも、利用者にとっては余計なお世話だったり迷惑行為ととられたりすることもあり、様々な葛藤を抱え続けなければならない精神労働に耐えることのできる能力が必要といえます。
相手のことを察する能力
利用者の中には身体能力が低下しており、自らの思いや考えをスムーズに伝えることができない方もいます。
通常なら簡単にできることでも、高齢で能力が低下しており、できないことに憤りを感じている利用者もいるはずです。
そのとき、相手のことを察する能力に長けていなければ、親切が迷惑になるとも考えらえます。
良かれと思い行った行動やサービスでも、利用者にとっては押し付けになるとも考えられるため、常に相手の立場や気持ちを考えて行動できる能力が必要と考えられるでしょう。