介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

福祉業界のトレンド|地域包括ケアシステムを実現させるための流れ

2022.01.27
分類:その他
介護保険制度では、サービスを受ける必要であるか否か公正に判断するために「要介護認定」が行われています。 認定の区分は2005年の法改正により、「要支援1~2」と「要介護1~5」を合わせた7段階になりました。 「要支援1~2」の認定を受ければ、訪問介護・訪問看護・福祉用具レンタルなどの介護サービスは利用できませんが、代わりに「地域包括支援センター」を通じて日常生活の維持・改善に向けた「介護予防サービス」を利用できます。 そこで、福祉業界のトレンドともいえる「地域包括ケアシステム」の実現に向けた取り組みについて説明します。

「地域包括ケアシステム」完成に向けた取り組みとは

地域包括ケアシステムとは、高齢者が地域で自立した生活を営むことができるように、医療・介護・予防・住まい・生活支援サービスを切れ目なく提供するための仕組みです。 たとえば地域包括ケアシステムとして、次のようなサービスが挙げられます。 ・定期巡回・随時対応サービス…24時間対応で在宅生活を支えるサービスであり、定期的な巡回訪問や随時通報を受けることで、必要なサービスが提供されます。 ・複合型サービス…小規模多機能型居宅介護と訪問介護など複数の居宅サービスと地域密着型サービスを組み合わせてサービスが提供されます。 介護分野で提供されるサービスは、法改正により変化しています。 たとえば一定の教育を受けた介護福祉士であれば、たんの吸引や経管栄養など医療ケアを実施することも認められるようになり、幅広いニーズにも対応可能となりました。 従来の療養病床に代わって「介護医療院」が創設されましたが、これは長期に渡る医療と介護に対しニーズの高い対象者に向けて、医療機能と生活施設の機能を兼ね備えた施設です。 同じ施設で医療と介護を提供できるといった特徴があります。 要介護・要支援認定の有効期間も24か月から36か月まで延長され、福祉用具のレンタル価格平準化に向けた全国平均価格の公表や、上限価格設定などの調整も加えられました。 法律が改正するたびに、だんだんと介護現場で提供するサービスなども変化しますが、いずれも「地域包括ケアシステム」の完成に向けた取り組みといえます。

「地域包括ケアシステム」へのニーズは高まる一方

介護保険制度は3年に一度改正され、今後はどのように変化するかわかりません。 ただ、高齢化社会が進展することに伴って、市場規模も確実に拡大されていくことが期待されます。 高齢者は今後も増加し、2042年になると3,935万人とピークを迎えます。その後は減少に転じるとされていますが、高齢化が進むにつれて「地域包括ケアシステム」へのニーズは高まることが予測されます。