介護施設によって居室数は異なりますが、いずれにしても入所されている方の住まいであると認識し、快適に過ごしてもらえる場でなければなりません。
そのため、介護施設や高齢者住宅で入所者が過ごす専用居室面積は、最低面積基準が定められています。
たとえば特別養護老人ホームの場合、定員4人の多床室での1人あたりの居室面積は10.65㎡、トイレ・洗面は共用となっており、このスペースに介護ベッドやポータブルトイレが設置されることになります。スペースに余裕を持たせるため、持ち込む荷物は段ボール箱1つ分までなど制限を設けている施設もあるようです。
ユニット型個室なども増えていますが室料や建設コストの負担から、13.2㎡から10.65㎡に見直されていますし、老人保健施設の定員4人の多床室では1人あたりの広さは8㎡、介護療養病床は6.4㎡など、認知症対応型グループホームになると7.43㎡などだんだんと狭くなります。
有料老人ホームでも個室で1人あたり13㎡程度と、6畳程度の空間で過ごすことになるわけですが、ケアハウスなら21.6㎡、サービス付き高齢者向け住宅は25㎡など、ここでやっとキッチンやお風呂、洗面などの水回り設備を備えた上での居住空間が確保できると考えられます。
この25㎡という広さは、それぞれにキッチンや水洗トイレ、洗面、お風呂、収納設備なそが備わっている場合の広さで、共同利用の居間や食堂、キッチンなどが十分な面積を有する場合でも1戸18㎡と規定がされています。
国土交通省が公表している「住生活基本計画」でも、1人暮らしの方が確保する最低居住面積が25㎡と定められているのも納得できることでしょう。
介護付有料老人ホームの居室面積をみたとき、施設の特色により部屋の広さなども様々です。ただ、一般的には居室面積が広くなれば価格も高くなり、平均17.4㎡くらいです。
トイレや洗面設備が介護付有料老人ホームでも一般的となっており、競合との競争により居室面積はだんだんと広くなっています。
利用する上で発生する費用負担の問題もあるでしょうが、居住空間を充実させることはそこで過ごす利用者の方の日々の暮らしにゆとりをもたらすことになるので、施設側も25㎡を目標にしたいものといえるでしょう。
施設の種類によって1室の床数の定員は決まっていますので、その人数により1人が確保できる広さも変わってくるはずです。定められた広さより狭くならないように注意が必要です。