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建設従事者の高齢化で工事に及ぶ影響とは?発生する問題と解消方法

2022.06.23
分類:経営

建設業界は現在人手不足が続いていると言われていますが、単に若い入職者が不足しているだけでなく、既存の建設従事者の「高齢化」が進んでいることも問題です。

建設工事従事者の労働者分布を見ると、全体の約3割以上が55歳以上であり、今後はさらに高齢化が進むことが予測されます。

そこで、建設従事者の高齢化が進むことで、工事にはどのような影響が及ぶのか、発生する問題と解消方法について解説していきます。

建設従事者の高齢化が進むことのデメリット

建設従事者の高齢化が進んでいくと、体力や筋力、判断力が若い世代よりも劣る世代が工事現場で多く働くことになり、様々なリスクを高めることになります。

そこで、考えられる従業員のケアととして次のような対策を講じておきましょう。

・安全標識を増やし事故防止意識を高める

・持病がある方はヘルメットなどにセーフティーステッカーを貼っておく

・腰痛対策として健康器具を設置することや定期的な通院を許可する

長い間現場で働き続けてきた方は、自らの経験による独自のやり方や「勘」などを重視しがちです。

そのため新たな取り組みに対応できないことも考えられるだけでなく、自身の能力を過信し事故などが起きやすくなる可能性もあるといえるでしょう。

また、日本は年齢を基準に評価制度を多く導入してきたため、高齢化が進めば従業員に支払う給与も増えることとなってしまうこともデメリットです。

 

高齢者を雇用することによるメリット

現場の高齢化が進むことでいろいろなデメリットがありますが、その反面で次のようなメリットもあると考えられます。

経験や人脈持つ方が若手の成長の手助けとなる

これまで培った豊富な経験や人間関係を持つ方がいれば、若手の人材が入職してきたときの成長の手助けとなります。

・特定業務に対する専門的知識や業務

・コミュニケーション能力

・人とのつながり

などをしっかり教育してもらうことができるでしょう。

工事現場は季節や天候に関係なく、長時間に渡り屋外で仕事をすることになります。

重さのある資材を運搬することや最新機器などを扱うことも求められるため、高齢の方では対応が厳しいという場合もあるでしょう。

しかし現場にとって必要な存在と考え、高齢の方には体力仕事外の監督業務などを担当してもらい、力仕事は若い人材に任せるといった役割分担なども必要と考えられます。