建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

解体工事を行うときに必要になる許可とは?

2020.02.21
分類:経営

法改正により29番目の建設業許可業種と追加された解体工事業。法改正よりも前は、工作物を撤去する撤去工事、そして建物など解体し土地を更地にする解体工事は、とび・土工の建設業許可業種とされていました。

ただ、改正前までは1件500万円以上の解体工事は、とび・土木工事の許可があれば可能でしたが、改正後はとび・土木工事の許可では対応不可となっています。

新たな解体工事業とは?

建物など解体し土地を更地にする解体工事は、とび・土工の建設業許可業種とされていました。その理由は、建設業許可事務ガイドラインに工作物解体工事との記載があったことが関係しています。法改正後の建設業許可事務ガイドラインの工作物解体工事にも解体工事業の例示としてそのまま記載されています。

このことから、それまでの撤去工事や解体工事は解体工事業として扱われることになると理解した方も少なくないでしょう。しかし、新たな解体工事業となるのは1棟の建物を解体して土地を更地に戻すといった工事のことなのです。

 

さらに理解を複雑にする建設業許可事務ガイドライン

建設業許可事務ガイドラインには、専門工事で建設される目的物のみを解体する工事はそれぞれの専門工事に該当することとなり、総合的な企画や指導、調整で行う工作物や建築物の解体工事は土木一式工事や建築一式工事に該当することになるとされています。

総合的な企画や指導、調整として考えられることとは、建物の建て替えなどで、古くなった家を解体して新しい家を建てるという工事は建築一式工事に含まれるということです。

目的物のみを解体する工事はそれぞれの専門工事に該当するということは、内装仕上工事業で作るものは内装仕上工事業で解体するということになります。

一般的に内装解体工事はとび・土工として考えられていたでしょうが、内装工事は内装仕上工事業であるため、許可も内装仕上工事業で対応するべきということです。

 

1棟建物以外の解体も行う場合は?

建物1棟の解体は解体工事業に該当することとなり、それ以外の撤去や解体はそれぞれの専門工事とされたり、または一式工事に該当することになるとすれば、解体業者で対応できる解体工事業の範囲を狭くしてしまい、他の許可も取得することが必要になると考えられます。

建物1棟を解体する以外に、内装の解体や原状回復工事なども発生する場合、解体工事業だけの許可を取得していても内装仕上工事業の許可がないことで仕事を受注できないといった問題が発生することになります。

また、解体工事業は許可と登録という2つの制度があります。許可は建設業法を根拠にした制度であるのに対し、登録は建設リサイクル法を根拠としています。

500万円未満の解体工事は解体工事業の登録で対応できますが、500万円以上の工事を請け負うのなら許可が必要です。

ただ、先に述べたとおり許可取得に関してはわかりにくい部分でもあるため、専門家などに相談してみることをおすすめします。