日本政策金融公庫総合研究所が行った「2021年度 小企業の設備投資動向調査」によると、2021年度に設備投資を行った従業者20人未満の建設業は27・5%でした。
これは前年度と比較すると5.2ポイントの減少ですが、投資額は100万円以上300万円未満が最も多く、その内容として車両・土木建設機械・建物の増改築などが挙げられています。
そこで、建設業の設備投資の現状と、何に資金が投じられているかについて説明していきます。
設備投資とは、企業が経営や業務を継続して発展させるために必要な設備に対して行う投資のことです。
企業が商品の生産や新商品開発のため、必要な設備を用意するための資金投入のことを指しています。
建設業の設備投資の目的、補修・更新・売上増加・省力化・合理化のうち、補修・更新が最も多く半数を占め、次に省力化・合理化と売上増加が半数ほどです。
また、すべての業種の設備投資額は100万円以上300万円未満が2割弱で最っとも多く、次に50万円未満、50万円以上100万円未満と続きます。
建設業の場合、工期の延長や人件費が高騰することで運転資金が変動します。
資金繰りが悪化しやすい業界であるため、運転資金を確保しておくことがより重要といええるでしょう。
運転資金の不足に陥らないためには、資金繰り表などを作成し、管理を徹底して行うことが必要となります。
代金がいつ入金されるのか、支払いはいつ発生するかなど、すべてを可視化して資金不足に陥らない管理を行いましょう。
また、建設業では代金回収時期の早期化によって、資金繰りを改善させることも期待できます。
代金は工事完了後に入金する契約が多いと、工事の進捗に合わせて前金など入金してくれる契約を増やしたほうが、資金不足を解消しやすくなるはずです。
入金までの期間をできるかぎり短く設定してもらえるように、交渉なども積極的に行いましょう。
建設業の資金繰りは、工事原価をしっかり管理できていないことを理由に、利益の出ない工事まで受注していることがあります。
たとえ赤字になるとわかっているのに、売上を優先させて受注するといったケースも中にはあるでしょう。
しかしこれらはどちらも手元の資金を不足させ、いずれは枯渇させる可能性があります。
工事ごとの原価管理を徹底して行い、見積もり段階で利益を発生させる状態をつくっておくようにしてください。