暑さが厳しい時期になると、建設工事現場で特に注意したいのが「熱中症対策」です。
梅雨の時期や猛暑日が続く中で、適切な熱中症予防対策が行われないまま工事現場で仕事をすると、作業員が熱中症により危険な状態になるリスクを高めます。
そこで、建設工事現場で安全に作業をするために、厳しい暑さを安全に乗り切るための熱中症対策について解説していきます。「熱中症」とは、高温多湿の環境などで体内の水分や塩分バランスが崩れることや、調整機能がくるってしまうことによる病気です。
体温を調節する機能が働かなくなることで体温が上昇し、めまい・けいれん・頭痛などの症状を引き起こします。
建設工事現場で行う作業は炎天下であり、作業服も風通しが良好とはいえないことが多いため、特に熱中症には注意が必要といえます。
熱中症になりやすい場所といえば、まず炎天下の空の下と想像する方が多いでしょう。
確かに猛暑などで熱中症になりやすいといえますが、梅雨の合間で気温が突然上がったときなども、身体が暑さに慣れておらず熱中症になるケースが多く見られます。
そのため、気温と湿度が高いときや、風が弱く日差しが強いとき、照り返しが強いときなどは特に注意してください。
たとえ気温が低くても、湿度が高いことで熱中症にかかりやすい場合もあります。
建設工事現場の熱中症対策では、管理側が現場周辺の気象情報を把握しておくことが必要です。
暑さ指数の計測計などで測定することや、アプリなどで気象情報を把握できるようにしておきましょう。
熱中症リスクが高いときには、注意喚起と作業時間の短縮なども検討が必要になります。
熱中症防止対策として、考えられることは次のようなことです。
・散水し現場の気温を下げる
・大型扇風機やファンを設置する
・遮光ネットとドライミストを足場に設置する
・経口補水液・塩タブレット・スポーツドリンクなどを常備する
・ファン付きの空調服や、コンプレッション・アームカバー・ヘルメットインナーなど冷感効果が期待できる作業着を配布する
現場の作業員が熱中症になってしまったときには、着用している服を脱がせて、皮膚に水をかけることや風をあてることで、上がった体温を正常に戻すことが必要です。
冷たい水や経口補水液で水分補給し、とにかく冷却して体温を下げることが必要となります。
呼びかけても反応がないときなどは、無理に水分をとらせると誤飲を起こす可能性もあるため、すみやかに病院に搬送し点滴してもらうなどの対応が必要です。