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建設資材物価指数とは?建設工事の資材価格の今後の動向を考察

2023.02.19
分類:経営

建設物価調査会の発表する「建設資材物価指数」とは、建設工事で使う資材の総合的な価格動向を明確にするものですが、近年は原材料・燃料・輸送量などコスト高によって建設資材価格も上昇し続けています。

さらに海外の建設需要が急増したことで、資材価格高騰に拍車がかかったといえます。

そこで、建設資材物価指数とは何か、建設工事の資材価格は今後どうなるのか、動向について考察していきます。

建設資材物価指数は急上昇

建設物価調査会の公表している「建設資材物価指数」とは、建設工事で使われている資材の総合的な価格動向を明らかにする指数であり、メーカー・問屋・特約店などの渡し価格を調査、2011年の価格を100として指数化した数値です。

過去40年の建設資材物価指数は、まず建設総合指数に建設投資が活況だった1990年代がピークであり、その後2004年にはピーク時より15.9%減まで低下したものの、円安影響による輸入資材高騰や震災復興・公共事業の増加などで継続的に上昇するようになり、2010年代になると1990年代を上回る水準で推移するようになりました。

1990年代では建築部門の資材価格が物価上昇を牽引していたのに対し、2000年代は建築・土木のどちらも資材価格が上昇しています。

そして2021年には新型コロナウイルス感染拡大から回復したことで、世界的な景気拡大・建設需要急増となり、建材不足を招くこととなったため価格が高騰しました。

燃料費も値上がりしたことによって、20219月の建築総合指数は前年同月比10.7%増まで達するという結果に至っています。

ウッドショックで急騰

木材は世界的な木材需要が逼迫する「ウッドショック」が起きてしまい、その影響から価格が急騰しました。

他にもコンクリート型枠用合板や杉角材(KD)が値上がりし、道路舗装用資材であるストレートアスファルトも原油価格が高騰したあおりを受けて価格改定が進んでいます。

原油・鉄鉱石・アルミニウムなど、いろいろな原材料のコスト増を背景として今後も値上がりが進んでいくことが予想されると考えられるでしょう。

コスト削減や現場の合理化が求められる

資材価格や建築費が高騰していることは、ゼネコンの工事費にも影響を及ぼしています。

国が推進する国土強靭化政策によれば一定の工事量が見込まれているため、国土交通省や発注者に再度見積もりを依頼するなど、価格の上乗せはある程度は可能となるでしょう。

しかし大型工事が一巡する建築関連の場合には、受注競争が激化しているため、施工者側でコストを削減したり現場を合理化したりといった経営努力が求められるといえます。