建設業界が抱える問題は何か?と問われたとき、どの経営者でも真っ先に人手が足りないことを挙げるのではないかというほど、建設業で働く人手が不足している状態は深刻化しています。
有効求人倍率は常に平均5などの高さを推移しており、1人の求職者に対し5件程度の求人がある状態です。それでも人手が不足しているのは単に人気がないからといい換えることもできます。
では、なぜ建設業で働きたいと感じてもらえないのかその理由を改めて認識し、何に対策を講じればよいのか考えていきましょう。
建設業は体力が勝負の業界というイメージが強く、その労働環境が原因で特に若い世代は敬遠しがちです。
現在人気のあるIT企業などと違い、常に屋外で行う仕事がメインとなるため、夏は暑い中炎天下で作業を行うことになり、冬は寒さに耐えながら…という状態になります。そのような環境では働きたくない!と感じてしまうのでしょうか。
ただ、建設業は単純な労働作業を行えばよいわけではなく、専門の知識や資格が必要な作業もあるなど、高度な能力を求められることもあります。
屋外でスキルを求められることなく、単に肉体労働を強いられるといったイメージを払しょくすることも必要であるといえるでしょう。
建設業界は人手不足、特に若い世代が少ないという問題は変わりませんが、それでも新卒での入職者は増えつつあります。
その理由は建設投資が上昇していることです。東京オリンピックによる効果も手伝い、公共工事などが増えたことで、建設業界全体が好景気であり新卒採用に対する投資も増加することが可能になったからといえるでしょう。
給与の改善などの見直しに加え、近年厳しくなった社会保険への加入も進んでいることで、労働環境が整備されてきたことが若い世代にも認められつつあるといえます。
しかし、せっかく雇用してもすぐに辞められては意味がありませんので、人手不足を改善させるには雇用した人材の定着率を高める工夫も必要です。
応募段階で求職する側と応募する側の求める部分にズレが生じないよう、しっかり情報を発信し理解を得ることが求められます。
実際、応募するにあたりどのようなことに不安を感じるのか、今雇用している若手の技能者などにヒアリングを行い、その不安部分を払しょくできる対策を考えることが効果的であるといえるでしょう。