家の建設の際には、「施主」「施工主」という言葉が出てくるものの、具体的にどのような違いがあるのか理解できていないこともあるようです。
文字にすると似た言葉ですが、意味は全くことなるため間違った使い方をしないためにも、「施主」「施工主」の他、「建築主」の違いについてご説明します。
「施主」は「せしゅ」と読みますが、建築会社に仕事を依頼した個人・法人・団体のことで、工事を発注した人や組織と覚えておくとよいでしょう。
「施工主」は「せこうぬし」と読みますが、施主から注文を請け工事を行う中心となる業者のことです。工事を受注した人または組織と覚えておきましょう。
「建築主」(けんちくぬし)とは、建築物の工事を注文して、建築物の家主となる方を指しています。
建築基準法では明確に建築主の定義があり、
・建築物に関する工事の請負契約の注文者
・請負契約を負わないで、自ら工事を行う人
とされています。
そのため建築基準法では建築工事の注文者が建築主となり、設計が依頼されると依頼者が「建築主」や「施主」になるという流れです。
施主・施工主・建築主の意味をまとめると、
・施主…建築主と意味は同じで、建築業界で使われる言葉。法律用語では建築主が正しい用語とされている
・施工主…組織を含め、工事を行う者のこと
・建築主…建築物の工事・設計を依頼する人で、建築物のオーナーになる人のこと
となります。
個人が家の建築を建築会社に依頼すると、依頼した個人が施主で、建築を請け負った建築会社が施工主です。
施工主である建築会社は、設計士や建築士と調整を行って、申請手続きや施工の検査などを行い、完成まで導くことが必要となります。
建築物を新築するときには確認申請が必要となりますが、この確認申請を行うのは「建築主」です。
建築主の多くは建築について専門的な知識がないことが少なくないため、建築の専門家にその業務を委任することが多いといえます。
建築主は建築物の工事を注文する人であり、建築物のオーナーですが、建築業界では建築主を施主と言うことも多く、施主と混同しがちです。
業界によって使用される特有の言葉などもあるため、もし契約や説明などで不明な言葉や耳なれない用語などが出てきたときには、トラブルを未然に防ぐためにもそのままにせず、質問により納得の上契約を結ぶようにしてください。