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建設会社の新規設立と建設業許可申請をスムーズに行うには

2021.06.08
分類:経営

建設会社を新規設立した後で、建設業許可を取得したいという場合には、設立するときの手続で許可取得を意識した会社設計にしておいたほうがよいといえます。

建設業許可の申請まで考慮せずに建設会社を新規設立してしまうと、後で許可取得に至らず、変更手続などが必要になることもあるため注意してください。

会社を新規設立するときの一般的な流れ

会社を新規設立する場合で、株式会社の設立は次のような流れとなります。

①商号調査と目的の適格性の確認

②発起人の選定・発起人会の開催・機関決定の確認

③定款の認証

④発起人の株式の全部引受

⑤発起人の払込機関に対する資本の払い込み

⑥発起人の設立時取締役の選任

⑦設立時取締役の設立時代表取締役選定

⑧設立時取締役(設立時監査役)の調査

⑨株式会社設立の登記申請

⑩補正確認

⑪設立完了(登記事項証明書・印鑑証明書・印鑑カードの取得)

 

建設業許可を取得することを前提に事業目的を決める

建設業許可を取得することを前提とするのなら、定款の目的には許可を申請する工事業種の記載しておきましょう。

建設業の工事業種は29業種ありますが、たとえばリフォーム工事を施工する建設業者なら「内装仕上工事業」と記載するなどです。

また、「内装仕上工事」には「管工事業」や「塗装工事業」が付帯することもあると踏まえ、目的にこれらも付加しておくとよいでしょう。

すでに行っている工事業種だけでなく、今後行う可能性がある工事業種も記しておくと、後で目的変更など行う必要がありません。

複数の工事業種を請け負うのなら、「建築工事業」「土木工事業」「建築及び土木工事業」「土木・建築工事の設計・施工・請負」といったいった包括的な記載もできます。

「建築及び土木工事業」と記載することによって、建築系・土木系・設備系などすべての工事業種をカバーできると考えられます。

 

建設業許可を前提とした資本金

建設業許可を受けるときには、請負契約を履行するに十分な財産的基礎または金銭的信用を有していることが要件に含まれています。

一般建設業許可では、

・自己資本が500万円以上

500万円以上の資金調達能力

のいずれかに該当することが必要です。

特定建設業許可であれば、

・欠損額が資本金の20%を超えない

・流動資産が75%以上

・資本金が2,000万円以上

・自己資本が4,000万円以上

というすべてに該当しなければなりません。

株式会社を新規設立し、一般建設業許可も取得するというのであれば、資本金を500万円にすれば自己資本500万円以上の要件をクリアできます。