建設現場の現場監督として働きだしたとき、初の業務は書類整理から墨出し、工事写真撮影であることが一般的といえます。
中でも工事写真を撮影することは重要な仕事の1つで、どのような業務を担当するのか把握しておくことが必要です。
様々な産業でIT化が進んでいますが、建設業界は他と比べるとまだ遅れている状況といえます。
しかし人材不足が深刻化している今、生産性向上や業務の効率化が急務となっているといえますが、建設現場の業務効率化の1つともいえるのが工事写真の撮影です。
工事写真とは、工事のすべての期間で撮影されたものであり、それぞれの工事段階での施工 状況や施工経過を記録するものといえます。
検査や施工管理のとき、工事が完成した後では目で確認できない部分を確認する手段として使われるだけでなく、出来形や出来高、品質確認などにも用いられます。
そのため工事写真は、
・工事工程を記録する
・使用材料を確認する
・品質管理を確認する
・維持保全の資料として
・問題解決の資料として
などを目的として行われると理解しておきましょう。
写真を撮影し記録を残すことで、工事が適切に行われた証拠になります。
鉄筋工事など、コンクリートを流し込めば確認することができませんが、施工の状況を知るためにも写真が重要になるといえます。
工事写真は、撮影するタイミングが重要といえます。
たとえばコンクリート打設の前には配筋検査を行うこととなりますが、配筋写真を撮影しておくことが必要です。
もし配筋写真がなければ、コンクリート打設の後で本当に鉄筋に問題がないのか、本当に組まれていたのか確認できません。
確認するための作業時間を使うこととなるため、工期を伸ばすこととなり完成まで遅れを取る可能性も出てしまいます。
そのような事態を防ぐためにも、撮影計画書を作成して写真の撮り忘れや漏れがないよう、しっかり計画を立てるようにしましょう。
公共工事の場合には、国民の税金が使われると考えると、工事写真に関しては撮影する項目が公共建築工事標準仕様書に細分化され記載されています。
どのように税金が使用されているか、その詳細を把握するためにも工事写真の存在は非常に大切といえるでしょう。
公共工事で注意したいこととは、画像を編集した写真は使えません。
明度の変更やトリミングなど、比較的簡易的といえる編集もできず、そのままのデータを使うこととなるためより注意して撮影することが必要と理解しておきましょう。