公共工事では、工事成績評定が実施されています。
工事成績評定とは、公共工事の品質を確保することを目的として、様々な項目を確認し工事を行った業者の能力を点数化したものです。
施工業者によっては通知表ともいえるのが工事成績評定ですが、その後、入札に参加するときには大変重要となります。
公共工事の入札において、経営事項審査は重視されることはあっても、工事成績評定の点数はそれほど重要でないと考える方もいるでしょう。
しかし工事成績評定の点数は、公共工事の入札に参加する格付けにも影響するほど大切なものです。
入圧の格付けは、客観的事項である経営事項審査と、独自の判断基準といえる主観的事項で算定されますが、このうち主観的事項の判断材料の1つとして工事成績評定が用いられます。
工事成績評定は、
・施工体制
・施工状況
・完成度
など複数の項目により判断されます。
金額により対象となる工事が決まり、たとえば国土交通省では主任技術評価官・技術検査官・総括技術評価官など、複数体制で評価していきます。
契約段階から評価はスタートしており、契約後10日以内に工事カルテの登録申請が行われているかなども確認されます。
工事が完成したときには、チェックリストの結果を参考に、考査項目別運用表を作成します。
施工中の評価や工事の完成ドなど、項目ごとに評価基準で点数化していき、決められた配点と計算式で最終的な評価が算出されます。
配点は65点が基礎となりますが、考査項目別運用表による評価で加点されることもあれば減点されることもあります。
通常の工事で完成したときには、加点・減点などなく65点ですが、65点を下回る結果となったときには低評価と判断され、不適格工事とされれば入札が制限されることになるでしょう。
平均的な点数は70~80点で、80点を超えれば優秀な工事と判断されますので、高得点を目指すことが望ましいといえます。
評価の点数を上げるためには、事前に発注機関の施工プロセスのチェックリストから、どの項目をチェックされるか確認しておきましょう。
どの項目が加点対象となるのか把握しておき、点数配分が高い項目や低い項目を知っておくと、事前対策も立てやすくなるはずです。
なお工事の規模によって点数が左右されることもあり、高得点を狙いやすいのは規模が大きな工事といえます。
評価対象となる項目が増えることが関係していると考えられますが、中小規模の工事の場合にはより本格的な対策が必要になると留意しておいてください。