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経営事項審査の点数を上げて入札工事に参加するためポイントとは

2022.01.24
分類:経営

「経営事項審査」とは、公共工事を発注者から直接請け負いたいときに、必ず建設業者が受ける必要のある審査のことです。

公共工事の発注機関は、競争入札に参加を希望する建設業者に参加資格があるか、審査を行うことが必要とされています。そのため発注機関は、客観的事項と主観的事項について審査を行い、その結果を点数化して順位・格付けを行うことになります。

客観的事項の審査を経営事項審査といいますが、入札工事への参加を希望するのなら、経営事項審査での点数をアップさせることが不可欠です。

経営事項審査の構造とは?

まずは経営事項審査の構造について確認しておきましょう。

経審点はP点と言い、P点は次の5つの要素(X1X2ZYW)から成り立ちます。

X1X2ZYWの点数それぞれに掛け率を乗じ、合算したのがP点です。

計算式にすると、

P点=X1×0.25X2×0.15Y×0.2Z×0.25W×0.15

となります。

 

W点をしっかり取ることが必要

経審点をアップさせたいときには、まずW点をしっかり取ることが必要です。

1項目あたりプラス21点なので、大幅な点数アップを期待できることが理由といえます。

社会保険加入はすべて「有」でなければならず、未加入の場合は減点となります。

従来までは合計点が0に満たないときは0とみなしていましたが、下限が撤廃されたことでW点の最低点はマイナス1995点となります。健康保険・厚生年金保険・雇用保険への加入は必須と留意しておきましょう。

建退共・退職一時金制度・法定外労災も注目

そして建退共加入・退職一時金制度などの有無・法定外労災加入は、それぞれP点に換算すしたときにプラス21点となります。

コストが発生する部分ではあるものの、公共工事の受注や、従業員の福利厚生・危機管理などでも重要となるため項目として用意されています。

完成工事高や技術者の評点は、対象となる業種にのみ加点されますが、建退共加入・退職一時金制度の有無・法定外労災加入の3つは、「有」にすると経営事項審査を受けるすべての業種にプラスになります。

たとえば土木や水道、舗装もすべて点数を上げたいというときにも、一気にベースアップが期待できます。

ただし制度は一度加入すればよいわけではなく、たとえば建退共の場合は証紙の購入や手帳の更新などが必要であり、上乗せ労災は毎年契約更改があります。

経審を受ける基準日の決算日時点で、これらの制度に加入していることが必要なので注意してください。