業績が悪化している建設会社が経営を改善させようと考えるときには、まずは経営者の危機意識を高めることが重要となりますので、景気や従業員、顧客などに責任を転嫁していては改善に繋がりません。
経営者の意識改革をまず高めることができなければ、従業員や取引先も再建に協力しようと思わないはずです。
中途半端な姿勢のままでは従業員や取引先、取引先銀行にその意識が伝わってしまうことを認識し、まずは経営者の危機意識を高めることからはじめましょう。
業績が悪化している建設会社が経営改善に取り組むなら、現在の正しい数値やデータを確認する作業は欠かせません。直近3期分の決算書から、それぞれの現場の利益を確認し、粗利益総額、赤字累計額、粗利益率を把握します。
業績を改善させようと、新しく目標を立ててそれを目指す経営方針や戦略を打ち出さなければ!と思うかもしれませんが、新しい目標を追いかける前にまずは自社の現状を把握しておくことが必要です。
もし数年に渡り数字の操作や大規模な粉飾などを行っているのなら、貸借対照表と損益計算書を本来の数字に戻すことから始めなければなりません。
実態に戻した上で経営を改善させる作業から逃げていては、表向きの数字にとらわれるだけになり、そもそもなぜ業績が悪化しているのか原因を把握することもできないからです。
もしかしたら決算書の数値が何かおかしいことに、金融機関もうすうすは気がついているのかもしれません。さらに黙っていたとしても、いずれは知られてしまうかもしれないのです。
金融機関から業績を改善させるための協力を得ることもできず、だまっているしかないのかと思うかもしれませんが、けっしてそうではありません。
経営者がこれまでの経営を反省した上で覚悟を決め、本気で経営改善に取り組みたいという姿勢を見せれば、きっと協力してくれる金融機関は見つかるはずです。
経営を改善させ利益を生み出すことができる体質に変わり、元金を少しずつでも返済させることができる返済能力を示すことができれば、銀行もいずれよい顧客になると考えてくれる場合もあるかもしれないのです。
もし経営悪化で悩んでいるのなら、今のやり方をそのまま続けていたのでは何の解決にも至りませんので、いよいよ決心するときだと奮起する勇気や覚悟が必要です。